2992.【2】 ページ42
［智にぃside］
翔と潤のやり取りは平行線。
潤が「擦りむいただけ」「恥ずかしかったから
診せたくなかったの」って呟いたっきり、頑なに
診せようとはしなくって。
ここじゃあ、恥ずかしいだろうから…と部屋に連れて
いこうとする翔と、拒む潤。
雅紀は夕食の片付けをしながら、和はゲームを
しながらも、それぞれ行方を見守ってくれてるけど…
翔「ここでパンツずり下げんぞ」
潤「ん〜…」
ついに翔が手荒くなって。笑
翔「こら！」
潤「…助けて」
捕まってた腕を振り払って、俺の元に逃げてきた。笑
翔は「智にぃお願い。部屋で待ってる」って
先に自室に戻っていく。
「潤？雅紀と和も心配してるしさ、診てもらおうか」
潤「…」
「…ね？」
潤「…ん」
優しい笑顔をくれた雅紀と和をチラチラっと見て、
それからコクン…と頷いてくれた潤。
手を引いて翔の部屋に連れていく途中「翔にぃ、
怒ってないかな…？」って確認してくるから
可愛くってさ。
もちろん翔は怒ってなんかいなかったけど…
翔「うわ…」
「酷いね…」
ベッドに寝転んで見せられたお尻の擦り傷は
化膿してかなり酷い状態に…
翔「どうりで座る時とか不自然だったわけだ…」
潤「…めんなさ、い」
翔「もっと早く教えて欲しかったけど、過ぎたもんは
しょうがない。頑張って治そうな」
潤「…ん」
傷の処置には麻酔が必要だから病院でやらなきゃ
いけないんだけど、簡単なものだからと翔がやって
くれることに。
それなら潤も安心だね。
翔「そこ、寝転んで待ってて」
潤「…ん」
処置室のベッドに吸水シートが敷いてあって
そこにうつ伏せで寝転んで待つ。
「…大丈夫だよ」
潤「…ん」
不安そうな顔して見上げてくるから可哀想で、肩の
辺りをさすりながら声を掛ける。
そうこうしていたら、あっという間に準備が
整ったみたい…
翔「始めていくな？麻酔するから少し痛いけど…」
潤「…ん」
翔「手、出さないでね」
潤「…ん」
翔「こっち、持ってきておいて？」
潤「…ん」
翔は自分の上着をクルクルと丸めて、それを潤の顔の
位置に置いて、さらに手を上着の下に入れておく
ように指示。
潤は素直に従ってるけど、ドキドキする心臓の音が
聴こえてきそうなくらい不安そうな顔してる。
翔「よしよし…頑張ろうな」
潤「…ん」
もちろん翔は潤のそんな気持ちに気が付いて、
最後に優しく頭を撫でて、声を掛けてから手袋を
付けた。
なんかさ…こっちまでドキドキしてくる…
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
