2973.【2】 ページ23
［潤side］
ほんとは雅にぃが
外に連れ出してくれて、すごく嬉しかった。
あのまま家にいたら、気持ちがもっと沈むだけだった
だろうし。
雅「いいじゃん！久し振りだな、水族館」
「…うん」
不貞腐れて車に乗った手前「ここ行きたい」なんて
言うのは恥ずかしかったけど…
信号で停まった時に、勇気を出してスマホの画面を
雅にぃに見せたら「いいじゃん！」って。
「…やった！」
雅「楽しもうねぇ〜！」
思わず喜びの声が口から漏れてしまって恥ずかし
かったけど、それ以上に雅にぃが「楽しみ〜！」って
喜んでくれたから…
これもきっと、俺が恥ずかしがらないように、
雅にぃが考えてテンション上げてくれてるんだよね。
ほんと…雅にぃには頭が下がるわ。笑
「雅にぃ…ありがと…」
雅「あひゃ！いいの、いいの」
ちゃんとお礼を伝えて、ここからは素直になろうって
決めた。
雅「傘はいっか…入り口そこだし走っちゃえ！」
「うんっ！」
水族館の入り口までは雅にぃとダッシュ！
ここなら、今日みたいな雨の日でも楽しめるでしょ？
雅「なに見る？」
「端っこからぜーんぶ！！」
雅「よし、いくか！」
「うん！」
雅にぃの手を引いて最初の水槽へ。
雅「…カニ？」
「うん！ここにいるよ、小さいカニ！」
雅「ほんとだ〜」
珍しい生き物とかいっぱいいて、気が付いたら子ども
みたいに水槽にへばり付いて眺めてた。笑
「あ！和が好きなやつだ！」
雅「ほんとだぁ〜、膨れてる！」
「くはは！」
可愛いフグも発見して写真を撮った。
あっという間にモヤモヤした気持ちとか忘れて
楽しめてる自分がいることにビックリ。
俺、割と地味に引きずるタイプなのに。笑
雅「イルカのショー観にいこうか。あと20分くらいで
始まるみたい！」
「観たい！！」
いつの間にか雅にぃが館内案内のパンフレット見て
ちゃんと把握してて。
はしゃいでたり、ワイワイ騒いでたりしても
何だかんだお兄ちゃんだなぁ…って。
気持ちの面でも、ほんと雅にぃって大人なんだな…
って感じる。笑
と、同時に自分の餓鬼さがね。
雅「いいんだよ、気にしなくて」
「…えっ？」
雅「なーんにも考えなくていいの」
「…ん」
ショーを観覧する為に椅子に座ってたら、心の中
読まれてるからビックリしちゃった。笑
「ちょっと待ってて」って、ジュースとポップコーン
買ってきてくれて、食べながらショーが始まるのを
待った。
その間も野球の話とかできて、すごい楽しい時間…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3700人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
