5人で生きてゆく…part60 (ページ20)

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［潤side］

ビックリした…

処置室のドアが開いたから駆け寄って「かずは？」
って聞いたら「もう大丈夫だけど、翔くんが
ちょっとね…寝不足で倒れちゃった」って言うんだ
もん。

先「自分の体が辛かったのに、和くんを処置する
ことしか頭にないんだもん。困ったもんだよ。笑」

先生はそう言いながら「智くんは翔くんに付いてて
あげてくれる？」って。

雅にぃと俺は和のストレッチャーにくっ付いて歩いて
いつもの病室へ。

ベッドに寝かせられた和は、もう苦しそうな表情を
していなくて…

「…よかった」

雅「ん、よかった…」

それから1時間くらいしてからかな、翔にぃも
ストレッチャーで同じ病室に運ばれてきた。

先「気力だけで、和くんの処置してたんだと思う。
脳の検査したけど異常はなかったから安心してね」

雅「…ありがとうございました」

今度は和も一緒に「…よかった」って呟いた。

先「また様子見にくるね。和くんもゆっくり休むん
だよ？」

和「…ん」

和が頷いたあと、先生は俺らの頭を優しく撫でて
くれた。

病室を出ようとしたところで和が先生に「先生が
俺の、せんせい？」って質問して…

先「翔くんが元気になるまで、俺に和くんの先生
やらせてくれる？」

和「…ん、せんせい、なら…安心…」

先「そっか…ありがとね」

和「…ん」

少し無理してる感は否めないけど、それを含めて
先生はちゃんと分かってくれてるから。

［雅にぃside］

翔にぃが目を覚ますまで双子はずっと心配してた。

先生も「どう？」って何度も様子を見にきてくれて。

翔「ん、んん…」

和潤「…っ、翔にぃ！」

双子の第一声は「翔にぃ！」

翔にぃの第一声は「和は？」で。笑

先生に「自分の心配しろ！」って頭を小突かれてた。

和はベッドから身を乗り出して「翔にぃのお陰で
俺は元気だよ！」ってニコニコ。

潤はピタッと翔にぃに体を寄せて「和のこと助けて
くれてありがとう」って。

先生から「脳の検査で異常はなかったから」って
伝えられた翔にぃはホッとしてた。

「隠すなって言ってんだろ！」ってまた頭を
小突かれていたけど。笑

先「栄養不足と睡眠不足で悪化したんだと思う。
しばらく栄養補給してゆっくり休んで」

翔「…すみません」

先「はは！病室でカルテ整理してもらうから
心配しなくていいよ…笑。迷惑なんかじゃないから」

翔にぃが気を遣わなくて済むように配慮してくれる
先生の気持ちが有り難い。

しばらく和とのんびりして欲しいね。