2956.【6】 ページ6
［智にぃside］
俺とは目も合わせず
ずっと俯いたまま。
終いには「ごめんなさい」しか言わなくなった。
そんな態度だから、俺も感情的になってしまった…
言うべきではない…と迷っていたんだけどね。
『俺が、みんなが…どれだけ心配したか分かる？』
『隠すのが家族なの？』
『こういう時こその5人なんじゃないの？』
『俺はそう思ってる…だから、隠されたことが
ショックだし、何も出来なかった自分が悔しい』
感情任せに、一気に捲し立てた。
翔は相当堪えたみたいで…
「智にぃのこと、こんなに怒らせてる自分は
最低だ…」って、真っ赤な目で俺を見つめて
ポロポロ涙を零しながら。
翔「…っ、ん…ごめ、んなさ、い…っ、んくっ…」
「…」
翔「…っ、んくっ、…ゃんと、言うべき、だっ、
た」
「…」
翔「みんなの、楽しみ、どうしても…」
翔は顔を上げて俺の目を見ながら話をしてくれた。
少し冷静になってみれば俺にだって分かる。
あいつらの笑顔を見てたら、自分が体調不良だなんて
とても言い出せないことくらい。
「ごめん…俺も言い過ぎた…」
感情的になり過ぎてしまったことを反省。
翔の気持ちもよく分かったし、それでもやっぱり
すごく不安だったし心配したし…って感情が
グチャグチャで。
翔「…とにぃ、…めん、ね？泣かない、で…」
「…っ、んっ…ん…」
翔に声を掛けられて気が付いたけど…
俺、泣いてるや…
でも、ちゃんと話せて仲直りもできたから
もう大丈夫。
「あいつらにはこの顔見せれないね。笑」って
笑い合って、2人で目に保冷剤を当てて冷やした。
スマホを確認したら雅紀からLINEが入ってて
『美味しそうなパン屋さん見つけて、メロンパン
買いました〜』って。
公園かどこかに寄り道してるのかな、あらしと
双子が遊んでるところが写真で送られてきた。
翔と見て「よかったね」って笑い合う。
しばらくして病室に戻ってきた双子はすっかり笑顔。
「夜には退院していいけど、安静にしてて」って
お医者さんに言われたから、今後の予定も立て直して
くれたみたいで。
和「温泉は翔にぃはお預けね？」
翔「えぇ〜…笑」
和「んふふ。あらしと待っててね。笑」
潤「明日はここに行こうね！みんなで！」
翔にベッタリで、今後の予定を伝える可愛い双子。
そんな3人を少し離れたところで見ている雅紀と俺。
「結構派手に叱ったんじゃないの？笑」って、雅紀が
茶化してきやがる。笑
好きだな〜、この5人の空気。
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
