2982.【2】 ページ32
［智にぃside］
ほんとに眠いのと、
注射が嫌だから起きたくないのと…
潤「んん…まだ寝る…やめ、てよー…」
翔「こら、じゅーん？」
潤「んんっ！」
不機嫌で、さっきから翔とバトル中。
翔は投薬治療が終わったら出勤しなくちゃいけない
からね、そんなに時間に余裕があるわけでもなくて…
「ほら潤、頑張っちゃうよ」
潤「んん…」
俺も翔に加担して潤をうつ伏せに動かす。
翔「消毒するよ？」
潤「んん…」
2人に無理矢理やられて、ちょっと拗ねちゃった。笑
翔「チクッとするよ…」
潤「んっ…」
刺された一瞬だけビクッとしたけど、その後は
大人しくしている。
腰の辺りを軽く支えている程度で大丈夫そう。
潤「んん…痛い…」
翔「もう終わるよ」
時間にしたら10秒くらい。
結構痛むみたいで「んん…」って唸っていたけど
この日は難なく3本打ち終えることができた。
潤「んん…痛かった…」
翔「よく頑張りました。少し揉むよ？」
潤「んんー…痛い、よ…」
揉まれながらも潤は「痛い…」って少し悶えてた。
でも終わってしまえばケロッとしていたし、
日中は俺と家の中で過ごしている時も楽しそうに
笑い声を上げていたし。
翔と雅紀が仕事から帰宅してからも「順調だね」
なんて話してたんだけど…
雅「起きちゃったみたいよ…泣いてる」
「嘘っ…」
眠るまで傍にいたからもう大丈夫だと思い込んでた。
起きてしまって一人で泣いてるなんて、可哀想な
ことしちゃった…
翔と部屋を覗いたら、確かに潤はベッドに寝転んだ
ままヒックヒックしゃっくり上げて泣いていて。
翔「…どうした？どっか辛い？」
「じゅーん…？下で寝よっか」
コロン…と寝返りをうって見上げてきたその目は
真っ赤。
表情が少し幼いような…
たぶん翔も同じこと思ったんだと思う。
無言のままだけど目が合って頷き合う。
「下いこっか…みんなで寝る？」
潤「…ん」
手を差し出したらギュッと掴んでくる。
それからキョロキョロして…
翔「はは！持ってくのな。笑」
潤「…ん」
雅紀に買ってもらったシロクマを反対の手で掴んだ。
雅紀がすでに和室に布団を敷いて待っていてくれて…
雅「潤ちゃん、おいで？一緒に寝よう」
潤「…ん」
俺の手を離れ、シロクマを抱いて雅紀に向かって
歩いていく後ろ姿はやはり幼い。
「退行かな…？」
翔「ん、そうかも。色々いっぱいいっぱい
だったからね…」
雅紀の隣に寝転んで「もう注射しないの…」って
言ってる。笑
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
