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［翔にぃside］
いつもは薬の
副作用もあり、
夜は比較的
寝つきの良い和。
だけど今日は蕁麻疹のせいで
寝られない…
和「翔にぃ、痒い…」
痒みを押さえようとバシバシ叩いてるから
眠くなる状況じゃないし。
「痒いね。今ね、智にぃが冷たいの
持ってきてくれるからね。」
しばらくして、智にぃが持ってきてくれた
タオルと保冷剤で順番に冷やして
あげつつ、薬も塗ってあげたら
だんだんウトウトし出した。
智にぃが優しく声を掛けながら
胸元をトントンしてやっていたら、
やっと寝付けた和。
夜中に痒くて起きたら可哀想だからと、
智にぃが一緒に寝てくれた…
翌朝、和の部屋を覗いたら
智にぃが一生懸命、タオルで
冷やしてあげてるところだった。
「智にぃ、ありがとう。
起きちゃった？」
智「いや。一回も起きないから
気が付くの遅れちゃったんだけどね、
ほら、引っ掻き傷だらけ…」
智にぃがタオルを捲ると、爪の痕が
くっきり残っている体…
「爪切らせたけど、ダメだったね。」
智「うん。相当痒いみたいよ？
寝れてるのが救いだね。」
智にぃは話しながら薬を塗ってくれている。
「今日、仕事行ったら先輩に
相談してみるね。」
俺は寝てる和を軽く診察して、
智にぃに和を頼んで仕事に行った。
お昼休みに先輩に相談して、
新しい薬と、掻かない対策を
教えてもらった。
和「もう塗らなくていい！
痛いんだってば！」
俺が帰宅すると、和が雅紀に向かって
怒鳴っていた。
「かーず。どしたの？」
和「…翔にぃ、おかえり。」
明らかに不機嫌な和は、俺の顔も見ずに
呟いた。
智「引っ掻き傷になったところに
薬塗ると痛いみたいでさ。
怒ってんの。な？」
智にぃに頭をポンポンされながらも、
和は雅紀の手を払いのけようと必死だ。笑
「えらいね、和。シャワー浴びたんだね。
雅紀、ありがとな。かわるよ。」
俺が雅紀とかわって隣に座ったら、
あからさまに嫌そうな顔をする和。
和「もう塗らないで。」
ご丁寧に俺が持ってる薬の蓋まで
閉めてきた。
まったく、子どもなんだから…笑
「分かったから、ちょっと診せてみ？」
薬をテーブルに置いたら、和は素直に
体を診せてくれた。
「皮膚科の先生に、寝る前につける薬
もらってきたから後でつけてあげるね」
和「痛いからいらない。」
顔を背けてしまった和。
よっぽど痛かったのか寝る前も
嫌々言ってたけど「痛いところは塗らなくて
いいから」といい聞かせ、
やっと塗らせてくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2012年12月30日 18時
