297.【6】 ページ47
［智にぃside］
雅紀から連絡を
受けて、
俺は急いで
警察署に連絡を入れた。
後悔が押し寄せる…
もっと早くお墓のことを思い出せれば…
前の時は「智にぃのばか！父さん達に
言いつけてやる！」って飛び出して行ったから
すぐに見つけられたんだけど。
車の音がして、潤が玄関に走っていった。
翔「ただいま、大丈夫だよ。」
すぐに潤の頭を撫でてやる翔。
翔「車の中で寝たから。
とりあえず、点滴だけしたら起こすから」
雅紀がサポートしてくれて
すぐに点滴が繋がれる。
潤「…か、ず…？」
潤が泣きながら手を握る。
潤「…つめたい…かず…？」
翔「ずっと外にいたからね。
智にぃのお粥食べたら、すぐ温まるよ。
大丈夫。ほら、泣かないの。
雅紀、和のこと起こすから、
潤のこと連れてって。」
雅「了解。じゅーん？
泣き止んでから和に会おうね。おいで？」
起きてすぐ潤が泣いていたんじゃ、
和はまた不安になって
自分を責めるかもしれない。
雅紀は潤をキッチンのカウンターに
座らせて、落ち着かせてくれている。
翔「和？かーず？」
翔が少し大きめに声を掛けたら
和はゆっくりと目を開けた。
翔「体温めて、薬飲まなきゃいけないから、
ちょっと頑張るよ？」
ボーッとした和は小さく頷いて
されるがまま体を起こされる。
自力ではとても座ってられない…
俺がクッションに寄りかかれるように
してやると、クタッと寄りかかった。
翔「はい、口あけて？」
和「んーん。」
翔「食べるよ？あーんして？」
和「…ない」
和は小さく首を振って拒む。
翔「だめ。かず？あーんして？」
和「…んーん。い…ない」
翔「だめ。食べるよ？それとも病院行く？」
和「…やだ。…や」
翔「じゃあ、食べよう？あーん。」
和「ん…。あー」
涙をポロポロこぼしながらだけど、
和はお粥を半分以上食べてくれて、
薬も飲んだ。
翔「潤、おいで？」
ソファーに和を寝かせた翔は、
潤を呼んでやった。
潤「かず？おかえり。」
すっかり落ち着いた潤は、取り乱さずに
和に声を掛けてくれて、手を握った。
和「…？潤？」
潤「そうだよ。もう寒くない？」
和「ん。へいき…」
ほんとうに小さくだけど、笑ってくれた和。
俺らは安堵のため息をついた。
翔「かず？疲れてるから、少し休もうね。
何にも心配しなくていいから、
ほら、目瞑ってごらん？」
翔が和の目を手で覆って声をかけたら、
素直に目を瞑って眠った…
そのまま点滴から鎮静剤を入れてくれた…
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作者名：空
| 作成日時：2012年12月30日 18時
