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［翔にぃside］
予定より10分くらい
遅れて
カウンセリング室を
訪ねた俺。
部屋のプレートが「カウンセリング中」に
なっていないことを疑問に思いながら
ノックして部屋に入った。
案の定、和の姿がない…
俺を笑顔で迎えてくれたカウンセラーは
今日の和の様子を細かく説明してくれた。
カ「だいぶ思い詰めてる感じだったよ。
とりあえず、早く家に帰って
様子を見てあげた方がいいかもしれないね。」
俺はカウンセラーにお礼を言って、
駐車場に向かいながら、智にぃにも
連絡を入れて、急いで家に帰った。
智「あ、翔。おかえり。」
「ただいま。和は？部屋？」
智「ううん。まだ帰ってないよ。」
真っ直ぐに帰っていれば
もう家に着いていないとおかしい。
「どこ行ってんだろ…」
思わずため息が漏れる…
智「潤のグランドとか？」
今日は土曜日だから、潤は昼過ぎまで
フットサル。
体調良い日は和もグランドまで
遊びに行ったりしているからあり得るかも。
俺は潤にもメールを入れた。
智「和の体調は？大丈夫？」
ここ数日、体調を崩してないし
今日の診察の報告メールも良好だった。
俺が「大丈夫。」と伝えたら、
智にぃはにっこり笑って昼食を作り始めた。
バタバタ焦っても仕方ないか…
俺も智にぃを見習って、深呼吸した後
着替えて昼食作りを手伝った。
智「雅紀の仕事のこと気にしてるのかな？
まぁ、それだけじゃ、ないんだろうけど」
「そうだね。ほんと難しい…
とりあえず、早く帰って来てくれたら
いいんだけど…」
昼過ぎ、潤から電話がきた。
潤は少し焦っていて「捜してから帰る」って
聞かなかったけど、「1回帰って来てから
一緒に捜そう？」って言い聞かせたら
渋々、了解してくれた。
潤「ただいま！ねぇ、和まだ？」
バタバタとリビングまで走ってきた潤。
智「おかえり、潤。まだ帰って来てない」
潤「じゃあ、早く行かなきゃ！」
「じゅーん。和ね、体調良いから
ちょっとくらい外出してても大丈夫だから」
智にぃの服を引っ張る潤を、
俺は一度ソファーに座らせて落ち着かせた。
「そろそろ行かなきゃマズイな…」
俺らが昼食を食べ終えても、まだ和は
帰って来ない。
「潤？和のこと捜しに行くよー？」
部屋から飛び出して走って来た潤。
「じゃあ、帰ってきたら連絡してね。」
智にぃには、家で待っててもらい
俺と潤で車に乗り込んで、
心当たりのある所から捜し始めた…
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作者名：空
| 作成日時：2012年12月30日 18時
