281.【水分制限】 ページ31
［翔にぃside］
和は心臓にも
あまり負担を
かけないように、
本格的に厳しいもの
ではないけれど、
水分制限もされている。
超えないように
気を付けなきゃいけない基準値は
もちろんあるけど、あまり神経質に
言っても意地になるだけだから
そこまで厳しく管理はしていない。
和の場合は我慢したり、
制限されてることが他にも沢山あるからね。
食事も塩分を控えて
なるべく喉が乾かないようにしたり、
水分も控えめにしたメニューにしたり
俺らが工夫できるところは
なるべく協力してる。
学校に行っている間は、飲んだら
携帯に打ち込むように伝えてるけど
これがなかなか上手くいかない。
和「あ、忘れてた。」
これが、お決まりの言い訳。
叱りたくなる気持ちをグッと堪えて、
思い出す作業に付き合う。
そんな日もあれば…
和「翔せんせー、今日は500！」
自販で500mlのペットボトルを買って
飲んだと事後報告してきたりして…
350mlの缶にしろって言わなかったっけ？と、
またまた叱りたくなるのを、
グッと堪えることも。
「かずー、学校での水分摂取量教えてー？」
和「うん、後で〜！」
「夕飯作るから、今教えてー？」
和「夕飯いらなーい！」
リビングとキッチンでやり取りしてた俺ら。
和の言葉に一瞬、？が浮かんだ。笑
夕飯いらないって、さらっと言ったな？
俺の頭を嫌な予感が支配する…
前にも学校で水分取り過ぎたからって、
家では夕飯も食べず、何も飲まないで
調整しようとしたことがあったんだ。
「かず？学校で飲んだもの思い出そうか？」
俺がなるべく刺激しないように
笑顔で近付いたのに、和は敏感だ。
いや、逆に笑顔が怖かったのか…笑
「こら、待て」
俺は、スッと立ち上がって逃げようとする
和の腕を掴んでソファーに戻した。
「かず？正直に言って？
今日、どんくらい飲んだの？」
和は俺から目を逸らして呟く。
和「…言っても、怒らない？
なら、ちゃんと言う…」
たまに使うんだよな、交換条件作戦…
ほんと、ずる賢い奴。
「場合によっては怒るよ。言いな？」
和「やだ。怒るんならやだ」
この状況だと、俺のが立場は上なのに
どうしてこうも、「かず、お願いだから
教えて！」みたいな空気になって
しまうんだろう…
和が涙目になると、ついつい甘やかして
しまいそうになる…それを
こいつは分かってて、その顔してんだな。
そんなこと考えてたら、今日は
見逃さないぞ！って変な闘志の気持ちが
湧いてきた。笑
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作者名：空
| 作成日時：2012年12月30日 18時
