2907.【雅にぃの長期入院】 ページ7
［和side］
「…どれくらい入院？」
翔「薬の効き具合でかなり変わるから、ハッキリは
言えないけど…」
翔にぃは「あくまで目安な？」って前置きしてから
「早くて2週間。時間がかかれば1ヶ月超えることも
あるよ」って。
翔「雅紀には言わないで。焦らせたくないから…」
和潤「…ん、分かった」
智「りょーかい。雅紀のこと頼むね」
雅にぃがレントゲン撮影にいっている間に
パパッと話をした。
昨日から入院してるんだ。
薬で完治するけど、時間がかかるかもしれないん
だって…
雅にぃは気遣い屋さんだから、自分の体のこと
よりも「心配掛けてごめんね」ばかりを繰り返して。
雅「かず〜、春亮さん来てくれたよ」
「はるすけ〜、いらっしゃい！」
春「あ、皆さんお揃いだったんですね」
レントゲンを終えた雅にぃは、春亮に車椅子を
押してもらって戻ってきた。
雅「ありがとうございました」
春「いえいえ」
「ねぇねぇ、ゲームしよ？」
春「…やりたいですけど、まだ仕事が。笑」
車椅子からベッドに戻った雅にぃが「あひゃ！
春亮さん忙しいから、俺とやろう？」って
誘ってくれる。
こんな時でも、俺の前ではお兄ちゃんでいてくれて。
春亮のことも「お世話になりました！」って
とびきりの笑顔で見送るんだ。
雅にぃは、すごいよ。
［翔にぃside］
雅紀にはそこまで詳しく病気のことを話していない。
「投薬治療を頑張ろうな」ってことくらい。
でも今の時代、病名さえ分かっていればスマホで
いくらでも調べられてしまうから…
雅「もう1週間以上だよ…？」
「ん？」
雅「2週間くらいで退院できるって書いてる人
いたから…」
やはり雅紀も、自分で調べて情報を得てしまった
ようで…
症状は色々だし、程度もバラバラ。
だから俺は敢えて退院の目安を伝えなかった。
雅紀は頑張り過ぎてしまうところがあるから、最短
2週間くらいだなんて知ったら、そこを目指して
焦ってしまうと思ったから。
「病名が一緒でも人それぞれだよ。体はみんな
違うんだから。だろ？」
雅「…でも、7割が2週間くらいって…」
雅紀は「俺はその7割に入れなさそうなの？」って。
早くも焦りを感じてしまっている。
7割って言ったって、全てのデータの統計をとって
いるわけではないし、国の正確な報告でもないし。
何のあてにもならない。
ネットで何でもかんでも情報が行き来するのは
こう言う時はあんまりよくな…って思う。
雅紀になんて話せば伝わるかな…
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作者名：空
| 作成日時：2018年7月3日 19時
