2944.【14】 ページ44
［翔にぃside］
「あれ…
食べてないじゃん」
潤「…いらない」
智「駄目だこりゃ。笑」
寝起きからちょっと情緒不安定で、朝食の時も
グダグダ。
智にぃが見ててくれたんだけど、お手上げみたいね。笑
どうやら頭が痛いらしく…
「冷やす！？」
潤「いい…もう帰りたい、もん…」
「朝ごはん食べないと、退院の許可は出せません。笑」
潤「んー…」
「あ、こら！」
箸投げてきやがった。笑
これじゃあ、誰かさんと同じじゃんね。
「冷えピタ持ってきたから。貼ったらさっさと
食べる！いいね？」
潤「ん〜…帰る、もん…」
誰も帰れないとは言ってないのにさ。
「はい、ちょっと冷たいからな〜…」
潤「んー…」
「いいの。貼っとけ！」
ちょっと強引に冷えピタを貼って、俺もベッドに
上り込む。
智にぃが「甘えたいみたい」って耳打ちして教えて
くれたから。
甘えさせてやりますよ。笑
「これ美味そうじゃん！ほら、あーん？」
潤「んぅ…」
ほうれん草の和え物を口元に運んだら、ギュッと
口を閉じてしまうけど…
「駄目。食べるの」
口元から離さずに「じゃあ一人で食べる？」って
問い掛けたら「んーん…」って。
「なら食べさせてあげる。な？ほら、あーん？」
潤「…」
俺のしつこさには誰も勝てないよ。笑
結局潤も、コテっと肩に寄りかかってきながら
全部食べた。
［和side］
智にぃから『朝食でグダッてるから、遅めに迎えに
きて』って連絡がきて。
潤でもグダグダになること、あるんだね。笑
雅「たっぷり甘えられてるといいね〜」
「ふふ…そうだね」
雅にぃとお喋りしながら病室のドアを開けたら…
翔「…っ、待て！」
雅「…おっと…あひゃ！捕まえた〜」
潤「ん〜…離せ〜…」
報告通りグダグダの潤がいきなり飛び出してきた。笑
雅にぃに捕まったけどね。
翔「じゅーん…退院しないの？」
潤「…するもん」
翔「だったら、ちゃんと最後の診察させて」
潤「ん〜…」
まだ頭が痛くて体も少し怠いから、退院できない
んじゃないか…って不安が頭の中にあるみたい。
翔にぃが「必ず退院させてやるから」って、伝えては
くれてるみたいなんだけどね。
潤「ん〜…」
翔「なーに…笑。なんも嫌がることしてないだろ？」
潤は最後まで甘えん坊さん。
背中を聴診されながら、翔にぃの胸元の服を
ギュッと握っちゃって可愛いの。笑
家に帰ってからもさ、しばらくは俺がお兄ちゃん
するから。
たまにはいっぱい甘えたらいいよ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年7月3日 19時
