5人で生きてゆく…part59 (ページ32)

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［智にぃside］

ぐったりした潤を
リクライニングを倒した助手席に寝かせる。

翔「まだ溶けてないから大丈夫だね」

「追加する？」

翔「ん、太もものところにお願い」

保冷剤をタオルで固定して当ててもらってるから
翔が「有難いね」って。

家から持ってきた保冷剤を追加してる間に、翔が
軽く診察をしてくれる。

潤は辛そうに目を閉じているけど、翔の問い掛けに
頷いたりできている。

翔「とりあえず家でいいかな…」

「ん、了解」

翔「…帰ろうな」

潤「…ん」

雅紀と和は先に自転車で自宅に向かっているから
同じくらいに到着できるんじゃないかな。

そしたら潤もさらに安心できるね。

翔「グルグルする？」

潤「…ん、少し…」

翔「目は軽く閉じた方がラクだから。…な？」

潤「…ん」

車を走らせていると後部座席から聞こえる翔の
優しい声。

バックミラーでチラッと見たら、翔が手で目を
覆ってあげているところだった。

辛くて目をギュッと閉じてしまうと、力が入って
余計に苦しくなることもあるみたい。

翔のお陰でラクになってきたみたいで…

翔「寝ちゃった…笑」

「んふふ…」

家に着く頃には夢の中。

「先に布団敷いてくるね」

翔「ありがとう、お願いします」

2人にはエアコンの効いた車内で待機してもらって
和室に布団を敷いてしまう。

準備を終えて迎えにいったら、翔が潤を抱き上げて
くれて。

靴を脱がせたり、準備をしておいてくれるから
さすが手際がいいな…と感心してしまう。

翔「大丈夫…寝てていいから」

潤「…ん、ん…」

布団に寝かせた時に小さく声を漏らして薄っすらと
目を開けた潤だけど、すぐにまた目を閉じた。

眉間にシワが寄っているから、体辛いのかな…

翔「保冷剤変えようか」

「了解」

それでも、グラウンドを出る時には火照ってた頬も
だいぶ落ち着いた。

潤「…んん」

翔「冷たい？…嫌だ？」

潤「…ん」

保冷剤を首に当てられて不機嫌な声を出す。

こんな風に我儘も言えるようになってきたら、
もう安心だね。

翔の表情も和らいで「少し我慢しよう」って
優しく宥めてる。

翔「飲みたい？」

潤「…ん」

スポーツドリンクをもらって満足そう。

そうこうしてたら雅紀と和が帰ってきて、真っ先に
和室へ。

愛されてるね、潤。

雅「潤ちゃんどう？」

和「…大丈夫そう？」

翔「ん、大丈夫。夜までゆっくり休ませれば
回復すると思うよ」

雅和「…よかったぁ～」

今日は5人で少しのんびりしようか。