2923.【3】 ページ23
［翔にぃside］
また無理したのか…って
思ったら、勢いで頭を叩いてしまった。笑
「雅紀はここで待ってて。処置したら呼ぶな？」
雅「ん、お願いします」
車椅子を押して、そのまま処置室へ。
「ベッドに移動できる？座っても、寝転んでも
どっちでもいいから」
潤「…ん」
「寝転ぶ？」
潤「…ん」
やっぱり、かなり顔色が悪いのが気になる。
早く痛みから解放してやらないと。
「採血して、そのまま点滴繋ぐな？そしたら痛み止め
入れられるから」
潤「…ん」
雅紀が持たせてくれたであろうタオルを、顔に
ギュッと押し付けて痛みに耐えてる潤が可哀想で…
「すぐラクにしてやるから。左手貸して？」
潤「…ん」
パパッと消毒して針を構えてから「危ないから
動くなよ？」って声を掛けておく。
潤の場合はたぶん大丈夫だけど一応ね。
「ちょっと痛いよ？」
潤「…んっ…」
「もう痛いの終わり。血抜いてるからそのままな」
潤「…ん」
処置をしながら問診しておこうと思って…
「頭、どんなふうに痛い？」
潤「…ズキン、ズキンする…」
「いつから？」
潤「…1週間、くらい前…」
「その時から同じ感じの痛み？」
潤「…ん、でも、今日が一番…痛い」
「…そっか」
薬で痛みが引いたら、脳の検査だけしておこうかな…
採血を終わらせ、点滴を繋いで薬を入れる。
「頭痛くなくなってくるから…」
潤「…りがと、しょ、にぃ…」
そっと頭を撫でていたら「…手」って。
繋いでってことなのかな。
あんまりこうやって甘えてこないから、ちょっと
戸惑って…
「…繋ぐの？」
潤「…ん」
確認してしまった。笑
点滴をしている手の方が不自由だろうと思って
そっちを繋いでやることに。
潤「…ても、いてね…？」
「ん、分かった。眠った後もここにいるな」
潤「…ん」
しっかり、手を重ねて…空いている手で頭を撫でて
いたら、あっという間に聞こえてきた寝息。
テスト勉強で寝不足だったのもあるし、薬も少し
入れたから、しばらくは起きないだろうと思って、
このまま検査に連れ出してしまう。
処置室の前で待っていた雅紀が「よかった…」って
何度も頭を撫でてくれて、潤の表情はさらに穏やかに
なったように思う。
検査は脳外科の先生に任せて、俺は家で待ってる
智にぃと和に連絡。
和は心配して「病院行きたい」って言っている
らしい。
「病院で車椅子乗るならいいよ」って条件付きで
OKを出した。
きっとくるだろうね。笑
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作者名：空
| 作成日時：2018年7月3日 19時
