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［翔にぃside］
和はオムツでは学校に
行きたがらないから、ここしばらく休んでる。
でもね、学校大好きだから…行きたいはず。
それにこの先もトイレを避けて通るのは、なかなか
難しいと思うんだよね…
「練習してみない？」
和「んん…」
カウンセラー、智にぃや雅紀、潤とも相談して
少しずつ練習を始めようってことになった。
和はまだ少し渋ってるけど…
でも、トイレにいけるようになれば、座薬の処置で
大泣きすることもなくなるしね。
「座ってみるだけ。な？」
和「んぅ…恐い、もん…やだぁ…」
ポータブルトイレを洗面所に置いてみたんだ。
まずは座る練習。
だけど和は足を突っ張って、リビングから動こうと
しない。
和「…っ、んくっ…やだ…、や…」
智「着替えるついでに座ってみよう？」
和「…ん、ん…やだ…っ…んくっ…」
智「あ…かずぅ」
膝をカクンと折って床に座り込んでしまう。
そんなところに現れた救世主。笑
雅「かず〜、抱っこしてあげる」
和「…っ、んっ…んくっ…」
雅「ん…？しない？」
和「…っ、んくっ…す、る…」
幼児退行もしているから、抱っこも喜ぶ。
特に雅紀の抱っこが好きみたいでね。笑
雅「よいしょ〜」
和「んっ…っ…んふふ…」
抱き上げればコアラみたいに引っ付いて、体を
委ねてる。
背中をポンポンしながら「このままトイレに座って
みるのはどう？」って交渉を始めた雅紀。
和が嫌だと愚図れば無理強いはしないけど…
和「…ずっと…このま、ま？」
雅「ん、ずっと抱っこのまま。座ってみる？」
和「…ん」
和はこの日初めてポータブルトイレに座ることが
できた。
なんだかんだいって、和は雅紀のことをとても
信頼しているし、雅紀も和のことを心から
可愛がってる。
それが今回、すごく伝わってくるんだ…
だから練習は雅紀中心で進めた。
雅「嫌だじゃないの、座るの」
和「…っ、んっ…んくっ…や…」
雅「だーめ。座る！」
嫌がって泣いてグダグダしていても、和の手は
雅紀に向かって伸びるしね。
雅「座ったら抱っこだよ？約束したじゃん」
和「…っ…、んっ…」
「ほら、かず。頑張ろう」
雅紀が両手を引いて、俺が背中を押して。
多少、無理矢理感は否めないけど…
和「…も、う、いいで、しょ？」
雅「ん、いいよ。えらかったね、おいで」
きちんと頑張った和を抱き上げて、いっぱいいっぱい
褒めてやって。
そしたら、ほら…少しずつトイレが恐くなくなって
きたね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
