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［先輩side］
今回も5人は
本当によく頑張ってくれた。
和くんが昏睡状態になって1週間目の昼頃、診察に
いっていた翔くんが「先輩！和の意識が戻りました」
って医局に駆け込んできて。
意識が戻ってすぐだもん、ほんとは5人での時間を
過ごしたいだろうに…
翔くんは、こうしてすぐに俺に知らせてくれる。
「あとで会いにいかせてもらう」って伝えたけど
「いいから今来てください」って。
潤「先生っ！見てみて！」
「…ん、よかったね…」
ICUを覗いた途端、潤くんにグイグイと腕を
引っ張られ、すぐにベッド前へ。
「…かずくん」
ベッドの和くんがうっすら目を開けて俺を見る。
「よく頑張ったね。えらかった…」
和「…ん」
まだ記憶が曖昧なのか、なぜ自分がここにいるのか
分かっていない…って感じの表情をしている。
翔くんが「様子見ながらゆっくり伝えていきます」
って。
「ん、それがいいね」
頭に触れさせてもらって。
そしたら、微かにだけど口角が上がったのが分かる。
4人に揃って『…ありがとうございました』って
頭を下げられる。
いや、俺は何もしてないよ…
ただ、信じたかっただけ。
4人の力と和くんの力。
そして5人揃っている時の特別なパワーをね。
この5人には不思議な力と絆があるから…
［和side］
ゆっくりと眠りたかっただけなのに、俺の自分勝手な
行動が、みんなに心配を掛けていたことを知った。
それに『…危険な状態だった』って声を絞り出した
翔にぃの言葉にもハッとする。
だって俺は、みんなと離れるなんて絶対に
嫌なんだもん。
いっぱい泣いて「どこにもいきたくない」って
伝えたら、4人とも『分かってるよ』って
言いながら抱き締めてくれた。
この温もり、忘れたことないんだから…
翔「どこにもいくんじゃねーぞ…」
「…ん」
智「なんでも言ってね…」
「…ん」
雅「また野球観に行こうね」
「…ん」
潤「あらしも待ってるから…早く帰ろう？」
「…ん」
こんなに温かくて、優しくて、自分のことを
大事に思ってくれてる人達に囲まれて、俺って
なんて幸せなんだろうって。
『いっぱい眠ってごめんなさい…』
『ずっと傍にいてくれてありがとう…』
『みんな大好き』
ちゃんとに伝えたら、みんなの100%の笑顔が
見れた。
「んふふ…」
もう自分勝手な行動で、にぃ達にも潤にも
悲しい思いはさせない。
あらしもごめんな。
もう少し待っててね。
元気になって飛んで帰るからな！
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
