5人で生きてゆく…part58 (ページ35)

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［智にぃside］

翔から連絡があって
駅から病院に直行。

丁度、処置室からストレッチャーに寝かされた和と
翔と先生が出てきたところで…

翔「和ね、落ち着いてるよ」

みんなで「よかった…」って口を揃えた直後…

バタンッ…

意識を失って倒れた雅紀。

安心して気が抜けたのかな…なんて呑気なことを
思えたのは、その時だけで。

潤「…まさにぃ…」

翔「脳に菌が…ね…」

「っ、そんな…」

ICUで管理されることになった雅紀は、意識なく
眠っている…

和「…っ、まさ、にぃ…ごめん、なさ…」

翔「お前が責任感じることじゃない。原因は色々
あるから…」

和「…っ、んっ、んくっ…でも…」

翔「いいの…苦しくなるから、おいで…」

翌日になってICUで雅紀に会った和は沢山泣いたけど
翔にしっかり抱きしめてもらって落ち着いた。

翔「先輩に頼んでも…いいかな？」

「もちろん。翔の判断に任せるよ」

翔「ありがと…智にぃ」

翔は、担当医を先生に任せて、自分は兄として
雅紀の傍にいることを選んだ。

和の病室で潤も一緒に寝かせた後、翔と2人で談話室
で色んな話をした。

発作を起こした時に傍に居られなかったことへの
悔しさ…とかね。

どちらか1人でも傍に居られたら、雅紀にここまで
無理をさせることはなかったんじゃないか。

和の発作が直接的な原因ではないにしても、
責任を感じずにはいられなくて…

「…でも、駄目だよね、こんなの…」

翔「…そうだね。落ち込んだってしょうがない」

まずは、兄の俺ら2人が前を向こうって。

ICUの雅紀は予断を許さない状態が続いているけど…

「信じてるからね…雅紀」

翔「俺も。ちゃんとお礼言わせて…な？」

いっぱい声を掛ける。

雅紀の姿を見ては、最初は泣いてばかりだった双子も
少しずつ前を向き始めてくれて。

和「助けてくれて、ありがと…」

潤「だいすき…」

毎日、ベッドサイドで雅紀の腕や体にスリスリ。

くっ付いて甘えてるの。

それがちょっぴり幼く感じるんだけど、すげぇ
可愛くって。笑

先生もそう思うみたいで、その姿を見る度に
「ほんと可愛いな。笑」「仲良しだな」って
声を掛けながら、雅紀の頭を撫でてくれる。

和「ん…助けてくれたから…」

潤「大事だから…」

双子は、学校に行っている時間以外は雅紀の傍で
過ごしてる。

たまに鳴り響く異常を知らせるアラーム音に、涙を
零すこともあるけど「雅にぃのこと信じる！」って
可愛い顔して笑うんだ。

俺と翔も…信じるよ。