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［雅にぃside］
潤の悲痛な叫び声が
聞こえて、慌ててリビングにいったら意識を失って
倒れている和がいた。
元気だったのに…
どうして急に…
改めて、発作は突然に起こるんだなということを
痛感。
何度も経験していることだけど、慣れることなんて
あるはずがなくて…
和の心臓が止まっていることを確認してからは
無我夢中だった。
助けることしか頭になくて、翔にぃの指示に
従いながら心臓マッサージを続けて…
救「代わりますね。乗ってください」
「…ありがとうございます」
救急車が到着して、救急隊の人達が和の処置を
始めてくれたから、泣いている潤を支えて、一緒に救急車に乗り込む。
救「戻りましたよ」
「…よかった」
心臓、和の力で動き始めたみたい。
救急隊の人が「意識が戻るかもしれないから…」
って、ストレッチャーの近くに、俺と潤を
座らせてくれた。
意識が戻った時、身近な人の顔が傍にいないと
パニックを起こすこともあるから…
よく知ってくれている救急隊の人でよかった。
潤と2人で、声を掛けたり体をさすったりしながら
和の意識が戻るのを待つ。
その間にも、走行中の救急車の中で処置が進む。
「かず？…分かる？」
和「…ん」
潤「かず？」
和「…ん」
よかった…
ぼんやりとしているけど、目が合った。
［翔にぃside］
病院の駐車場にむかって歩いている時に、潤から
着信。
あぁ…って。
自分が傍にいない時に、最悪の事態が起きてしまって
いることが悔しくて…
雅紀だって体調悪くて辛いだろうに…って、
冷静に考えられるのは、意識を失った和を目の前に
していないからだ。
救急車を手配してから、電話で指示を飛ばすと
雅紀からは的確に返答がある。
それに加えて「大丈夫」「助けるよ」って、潤に
向かって頼もしい言葉を掛けているのも聞こえて
きていて。
和のことは任せようって思った。
救急車から降ろされた和は意識がある。
雅紀と潤が傍に居てくれたお陰でパニックを
起こしていないし。
不幸中の幸い。
「いい子だ…」
雅「ん、頑張ってくれたよ」
和の頭を撫でたら、雅紀がいい笑顔を見せてくれる。
雅紀のことも思いっきり褒めてやりたいけど、
まずは和が優先だな…と。
「処置してくるから…座って休んでてな？」
雅潤「…ん、お願いします」
処置室で和の処置。
救急隊の人と、雅紀のお陰で容態はとても落ち着いて
いて…
「よかったな…」
和「…ん」
返答もしっかりあって安心。
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
