2878.【3】 ページ28
［翔にぃside］
仕事を頑張り過ぎて、
寝不足で体力落ちていたところで菌に感染。
薬を入れて、自宅で治療を続けているけど
免疫力が著しく低下していたから厄介で…
和「…まさにぃ、布団被って出てこない…」
潤「翔にぃ、見てきて…？」
心配した双子が登校前に顔を出しても、この有様…
今は双子を不安にさせないようにする余裕すら
ないくらい具合が悪い。
「頭が痛くて、眩しいのが辛いみたいだから…
後で診察するから大丈夫。な？」
和潤「…ん、分かった。行ってくるね」
双子は心配しながらも仲良く登校していった。
今朝、診察した時に雅紀と少し話したんだけど
頭痛が酷くて、光の刺激が辛いみたいなんだ。
コンコンコン…
「まさ…？どう？」
雅「…んん…」
布団の中から、くぐもった声が聞こえてくる…
「ちょっと捲るな？」
今はどんな刺激も辛いとは思うけど、放っておく
ワケにはいかないから、そっと布団を捲る。
雅「んん…」
頭を抱えるようにして耳を塞いで、目をギュッと
閉じている姿が痛々しくて…
「痛い？」
雅「…ん」
やっぱり光の刺激がキツイのか、すぐに布団を
引っ張り上げようとし始めて。
「まさ、待って。少し診せて？」
雅「…んん、ん…」
嫌々と首を振られてしまうけど、ベッドに上がって
布団の上に座って、布団を抑えてしまう。
「ちょっとだけ…な？ごめんな、頑張ろう…」
雅「んん…」
無理矢理で可哀想だけど。
智「…どう？保冷剤持ってきたよ」
「ありがとう。当ててあげてくれる？相当辛い
みたい…」
保冷剤で少しは気が紛れるといいんだけど…
智「まさき…？持つ？」
雅「…ん、欲し…」
智にぃが、タオルに包んだ小さめの保冷剤を
差し出したら、やっと少しだけ目を開けてくれた。
「頭痛が一番辛い？」
雅「ん、ガンガン、する…」
聴診しながら聞いてみたら答えてくれて。
でもやっぱり相当辛いみたいで保冷剤をギューっと
顔に押し付けて、痛みをやり過ごそうとしてる。
「鎮痛剤追加しておくから。それでもこれ以上
酷くなるようだったら病院行こうな」
雅「…んん、動きたく、ない…」
「ん、分かるけどさ…」
とにかく動きたくないという雅紀の気持ちは分かる。
だから出来る限り尊重してやろうと思ってたけど…
雅「…ん、…っ、んっ…んくっ…」
「駄目だね…」
追加した薬は全く効かず。
雅紀は頭痛が辛すぎて泣くほど苦しんでる…
「辛いな…」
背中をさすることくらいしか出来ない。
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
