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［雅にぃside］
翌朝。
双子に「学校の前に少し翔にぃに会おうね」って
伝えて車に乗せた。
翔にぃが風邪を拗らせ肺炎になっているとは
聞いたけど、数日の入院で済むことも聞いたし、
大事として受けとめてはいなかったから。
「面会の後、学校送ってやるから」
和潤「わーい！」
智「頼むね」
「ん、任せて」
俺も双子を送ったら出勤するつもりだから、車は2台
体制で病院へ。
和「…まさ、にぃ」
「ん、おいで…」
病院の中はやっぱり不安だからか、背中にくっ付いて
甘えてきた和を支えながら翔にぃの病室へ。
「…なんかあったんじゃない！？」
智「…っ、嘘」
翔にぃの病室に、看護師さんが駆け込んでいく…
智「…っ翔！」
真っ先に後を追って走ったのは智にぃで…
先「喘息の発作起こしちゃってるから…ごめん、
ちょっと待っててね。大丈夫だから」
翔「…っ、ゴホッ…コホコホ…ゴホッ…」
リクライニングを起こしてもらっている翔にぃは
苦しそうに咳き込んでる。
先「翔くーん？少しずつラクになるからね…
頑張って、これ吸おう」
翔「…ゴホッ、…ゴホッ…コホコホ…」
合間に聞こえてくる喘鳴は酷いもので、唇も紫に
変色し始める…
先生が薬剤の指示を出して、看護師さんがテキパキと
動いて。
「先生に任せれば大丈夫だよ」
和「…ん」
背中に引っ付いている和が震えているのが分かるから
そっと手を回して「大丈夫…」って何度か声を
掛ける。
双子もね、今回のことちょっと気にしてるんだ。
自分たちが智にぃの味方をしたみたいな空気に
なってしまったんじゃないか…ってこと。
早く、みんなでしっかり話をして仲直りしたいね。
先「少しずつ落ち着いてくるから、傍にきても
いいよ」
「…いこっか」
和「…ん」
先「翔くん？もう少しの間、頑張って吸おうね」
吸入をしながら、少しずつ唇の色が戻ってきて
喘鳴も落ち着いてきた。
智「…翔」
智にぃが名前を呼びながら、そっと肩の辺りを
さすってあげてる。
まだ翔にぃは応える余裕はなく…って感じだけど。
潤「翔にぃ…ごめんね…」
潤は手を握って謝って…
先「このまま少し寝ちゃうと思うけど、起きたら
ラクになってるから、仲直りしなさい？笑」
智「…はい。笑」
先生が茶化してくれて、場の空気がフワッと
軽くなったのを感じる。
5人ともが落ち込んでいる時は、先生がこうして
いつも助けてくれる。
有り難いね。
翔にぃが話せるようになったら、仲直りだね。
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
