2873.【2】 ページ23
［先輩side］
翌日が休みだから
ちょっと遅くまで残って仕事を片付けてた。
それが良かったのか、翔くんの処置をすることが
できたけど。
「またこんなに無理して…」
智「…すみません。兄弟喧嘩を…」
「意地っ張りだもんな、こいつ。笑」
智「…はい。俺もですけど。笑」
風邪を拗らせて肺炎になってしまっているから
3.4日は入院して治療していくことに。
高熱で、苦しそうに眉間にしわを寄せて眠る翔くん。
薬も効いてくるから朝には少しはラクになるとは
思うけど…
智「…翔」
智くんは不安そうな顔で寄り添ってる。
「心配だろうけど。家でゆっくり休んで、また明日
おいで」
智「…はい」
俺も心配だから、明日の朝は様子見にこようかな。
「病院脱走されたら困るし」って、智くんに
冗談めかして言っていたのに、現実となるとは。笑
看「…翔先生！困ります…」
朝食の前に病室の前まできたら、担当看護師の
焦った声が聞こえてきた。
「こら！何してんの…」
翔「…っ、先生…」
思いっきりバツが悪そうな顔して俯いた翔くん。
「担当医、俺だから。勝手なこと一切許さないよ」
翔「…」
「後いいよ、俺がやる。笑」
看「…ありがとうございます。笑」
看護師とバトンタッチして、ベッドに近付いて
いったらモゾモゾと布団に隠れようとするから
腕をガシッと捕まえる。
「これ、やっていいこと？」
翔「…」
点滴、勝手に抜いてやがる。
「いつ抜いた？」
翔「…起きた、時、に…」
かなりの量が残ってるから、深夜だろうな…と。
パックから漏れないように、ちゃんと対応している
辺り、翔くんらしいけど。笑
「まだこんな熱いのに、なに無理してんの…」
翔「帰りたい、です…」
「無理。肺炎になってるし…」
って、説教しようと思ったけど、翔くんの苦しそうな
息づかいが気になる…
「…聴診させて」
「いい、ですっ…」って邪魔しようとする手を
軽く捕まえておきながら聴診。
まったく…いつまで素直にならない気なんだか。
看護師に新しい点滴を頼んで、吸入薬も持ってきて
もらう。
肺炎もそうだけど、喘息発作も怖いな…と。
「智くん、心配してたし反省してたよ？」
翔「…」
リクライニングを少し上げて吸入させている間に
新しい点滴を。
「もう抜くなよ？笑」って頭を小突いたら
「はい…笑」って微笑む余裕も出てきたから
ちょっと油断してしまったけど…
朝食後に看護師から「翔先生、喘息発作です」
って呼び出された。
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
