5人で生きてゆく…part58 (ページ22)

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2872.【翔にぃ兄弟喧嘩で…】ページ22

［翔にぃside］

些細なことで始まった
智にぃとの言い合い。

俺の口調が強くなったから、雅紀が智にぃに加担して
喧嘩に発展した。

さらに一部始終を聞いていた双子も「どっちも
間違ったことは言っていないけど、翔にぃの言い方は
酷いと思う」って。

はいはい、俺が悪いんですね。

イラッとして「もう何も喋りたくない！」って
4人のことを睨みつけて、自室に閉じこもった。

それからも顔を合わせるのは何か気まずくて、
必要最低限の会話しかしなかった。

「…っ、コホッ、ゲホッ…ゲホッ…」

意地を張っているけど、メンタルはやられているから
喧嘩前から引いていた風邪を拗らせてしまい…

仕事を休みたいな…と思いつつも、このタイミングで
休んで家にいるのは気まずい。

そんな無駄なことを考えてしまって、なかなか
休めなくって…

「…っ、ゲホッゲホッ…」

明らかに悪化してきたけど、兄弟の前では隠して。

無理して出勤して。

そんなことを繰り返していた。

体が悲鳴を上げているのは分かっていたし、
胸が苦しいし、呼吸も辛くなるのを感じてた。

でも、言い出せずに自室に閉じこもって。

智にぃが「顔色悪いよ…？」って声を掛けて
くれたけど「別になんともない…」って一言返した
だけ。

心配してくれてるのに、最低だよな…って思いながら
このタイミングでは、弱いところは見せたく
なかった。

［智にぃside］

喧嘩して数日経って、さすがにこのままじゃ
駄目だって思って…

トントントン…

「翔？入ってもいい？」

リビングで雅紀と呑んでたから、謝りついでに
誘っちゃえばいいかなって。

言い合いしたことは些細なことだし、お互いに素直に
なれなかっただけだから、チャチャっと仲直りを
してしまおうと思ってた。

そんな軽い気持ちで部屋にお邪魔したんだけど…

「…翔？」

翔「…っ、ケホッ…ん、んん…」

ベッドに寝転んでいる翔の頬は赤くなり、呼吸も
苦しそうで…

雅「音よくないね…、熱も高いし…」

「どうしよう…」

慌てて雅紀を呼んで診てもらったら「病院行った方が
いいかもね…」って。

双子が寝ているから、雅紀には留守番していて
もらって、俺が車で連れて行くことにした。

雅「慌てなくても大丈夫だから、安全運転ね。
病院には電話しておくから」

「ん、ありがとう」

喧嘩に巻き込んで迷惑を掛けたのに、雅紀は
嫌な顔一つせず、こうして優しくしてくれる。

俺も大人にならなきゃな…笑

反省しながら車を走らせる。