2871.【5】 ページ21
［智にぃside］
上手く言葉が出てこなくて…
自分の不調すら翔に伝えることができずに
焦って泣く末っ子。
ここんとこ、すっかり末っ子さんに戻ってしまった。
でもね、俺はそれでいいかなと思ってる。
今回潤が心に受けた傷は大きくて、本人にとって
とても辛いものになってしまったけど…
どんな悲しい出来事もいずれはプラスにできると
俺は思ってるから。
潤「…っ、お…か…」
翔「あ、お腹？…お腹痛いの？」
潤「…ん」
潤が落ち着いたことで、言葉と仕草で翔に伝える
ことができた。
翔「ここ、寝転んでごらん。さすってやるから」
潤「…ん」
不調箇所が分かってしまえば、もう翔のもん。笑
専門分野だからね。
翔「…じゅん？力抜いてて…」
潤「…ん」
膝の上に頭をのせて寝かせてあげて、ゆっくり
お腹を撫でてあげてる。
ストレスからくるもので間違いないだろうけど
決めつけるのもよくないからね。
翔は「どんな風に痛い？」とか「このへん？」とか
優しく声を掛けながらお腹をさすってあげる。
潤「…っ、な…って、…た…」
翔「治ってきた？…よかった、よかった…」
潤「…ん」
泣きながら起きてくるくらいだから、相当痛かったし
不安もあったんだと思うけど…
「んふふ…寝そうだね」
翔「だね」
雅「…かわいい」
すっかり安心した顔になって寝そうな潤。
雅紀がフワフワっと髪の毛に触れたら、さらに
安心したのかスーッと眠りに落ちた。
今、俺らが潤にしてやれることって特別なことは
何もなくて。
それから数日間も、同じような状況が何度かあって
可哀想な思いもさせたけれど…
潤「…っ、りん、ご、…べた、い」
「和も食べたがってたから食後に剥いてあげる」
潤「…りがと、う」
言葉がね、だいぶ出るようになってきた。
これははっきり分かる変化だから、潤自身も
前向きになるエネルギーになっているみたい。
雅「潤、おいで？和と風呂入ろう？」
潤「…ん、はい、る！」
手招きした雅紀の元へスタスタと寄っていく潤の
後ろ姿は、以前より元気になった。
風呂場から聞こえてくる笑い声も3人分。
潤「しょ、…にぃ、やっ、て？」
翔「ん、いいよ。ここ座って？」
風呂上がりには翔にドライヤーをおねだり。
自分から上手く甘えられているし、翔もしっかり
潤の気持ちに応えてくれるから。
翔「ばかっ、まだ終わってねーし。笑」
潤「くふふ…」
途中で翔に寄りかかった潤からは幸せそうな笑顔が
溢れる。
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
