2865.【4】 ページ15
［雅にぃside］
企画書が通って、
とりあえず一段落…と思ったら、胸の痛みと
呼吸の苦しさが倍増した気がした。
処置室でも、胸の痛みと苦しさと…それに加えて
なんか脇腹の下辺りがズキッと痛んだ気がして。
「…これの、せい、か…」
パシッ…
「いてっ…笑」
翔「ばかっ、第一声がそれかよ！笑」
目覚めてすぐに脇腹のチューブが見えて、一人で
納得していたら、翔にぃに頭を叩かれて…笑
ハッとして見回したら、みんながいた。
「…ごめ、ん…さい…」
みんな口々に「いいよ」って言ってくれる。
どんだけ優しいんだ。笑
後輩に限っては「俺の為に、ほんとすみません…」
って頭を深々と下げてくるし。
「いいの、俺がそうしたかったの。ごめんね？」
後「…でも」
申し訳なさそうな顔をした後輩の肩を、俺の代わりに
そっとさすってくれたのは智にぃ。
「こういう奴だから、気にしないでやって？」って
ふんわりと笑顔を作ってくれた。
後「…はい、ありがとうございます。雅紀さんが
元気になって戻ってくるまで、頑張って進めます」
「ん、…自信もってね」
ペコペコと頭を下げながら、病院を後にした後輩。
いっぱい心配掛けちゃって…退院したらお詫び
しなきゃな。
色々考えながら、しばらく扉を見つめていたら
「今は痛みはどう？」って翔にぃから声を掛けら
れた。
「ん、だいぶマシかも…」
翔「よかった…ちょっと話聞ける？」
「…ん」
よくない話なのかなっていうのは何となく分かる。
これだけ5人でいる時間が長いとね、やっぱり
感じるんだ…言葉にない部分も。
嫌な予感は当たるもので…
「え…手術…なの？」
質問した自分の声が震えているのが分かって
涙を堪えるので精一杯。
CT画像とか見せてもらいながら、パソコンで資料も
開いてくれて色々説明してくれて。
「そっか…俺が早めに、言わなかったから…」
翔「それは否定できないけど。笑」
翔にぃは眉毛を下げながら困ったように、でも
すっごく優しい笑顔でワシャワシャっと頭を撫でて
くれてから「難しい手術じゃないから大丈夫」って
声を掛けてくれた。
「…っ、ん…んくっ…ん…」
翔「あぁ…笑」
智「んふふ…」
そんな優しくされたらさ、涙我慢できないよ。笑
ポロポロと泣き始めてしまった俺を見て、優しい
笑顔を向けてくれる、にぃ達と「大丈夫？」って
心配しながら肩の辺りをさすってくれる双子。
「…っ、んくっ…がんば、る…」
頑張るから、みんな傍にいてね…？
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
