2862.【雅にぃ肺気胸の手術】 ページ12
［雅にぃside］
胸の辺りが時々痛くなる…
家ではそのことを隠すのに必死になってしまう。
智「…顔色悪くない？」
「ん、ちょっと寝不足…今日は早く寝るから」
朝ごはんをパパッと食べて、早めに家を出る。
智「…あんまり無理しないでね」
「ん、ごめんね。ありがと…」
玄関まで見送りに来てくれた智にぃの視線が
痛かったけれど、気が付かないフリ。
心配してくれてるのに…最低だ。
でも今は仕事がしたい。
後輩が初めての企画リーダーを任されている仕事。
そのサポートに付いているから。
ちゃんと見届けたいんだ。
後「雅紀さん、これ…無理ですよね…」
「ん〜…やりたいの？」
後「はい…やりたかったんですけど…」
最終的な段階にきて少し行き詰まってるみたい。
「諦められる？どうしてもやりたい？」
後「んん…」
考え込んでしまう後輩。
初めての自分の企画だもん、色々考えることは
あるし、連日考えてばかりで疲れるよね。
でもね、なるべく思うがままにやって欲しい。
その為の方法があるのであればだけど。
俺も、先輩の助けを借りて実現できたことって
いっぱいあるし。
そう思うとね、胸の痛みなんて気にしてる余裕なんて
なくて。
こんなの、にぃ達には言い訳って言われちゃう
かな。笑
［後輩side］
企画の内容が最終決定される日の朝。
雅紀さんは何だか顔色が悪いような…
思わずジーッと見つめてしまったら「なーに、
何とも言えない顔してんの？緊張してんの？笑」
って笑い飛ばされてしまった。
確かに緊張はしていたけれど…笑
「ここまで自分のやりたいことがカタチになるとは
思ってなくて」
雅「そっか、よく頑張ったね。すごく良い企画書が
できたんだから、自信持って？」
「はい、ありがとうございます」
どれもこれも雅紀さんのお陰。
「ほんとに…ありがとうございました…」
雅「とりあえずひと段落だね」
企画書も無事に通った。
これで、数ヶ月先のイベントに向けて準備して
いける。
雅紀さんは、ここまでなんとか俺のサポートを
しようと思って無理していたのかもしれない。
帰りがけにもう一度お礼を伝えようと思って
机の傍までいったら…
「…雅紀さん？」
雅「…っ、ん…ごめ…」
机に突っ伏して、苦しそうにしている姿があって…
それでも、これ以上は心配掛けまいと思ったのか
スマホを操作して誰かにメッセージを送って。
雅「ごめ、ん…っ…外まで、手貸して…？」
「…もちろんです」
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
