2851.【トイレで発作…恐怖心】 ページ1
［雅にぃside］
夕食後にみんなで
テレビ観て、楽しくお喋りして。
和が「ちょっとトイレ〜」って抜けて。
なんてことない、いつもの日常。
智「リンゴ剥いたよ〜」
潤「わーい！和〜、リンゴだって〜！」
翔「トイレ？」
「ん、トイレ。…遅いかも」
そういえば結構な時間、戻ってきてないな…と。
時間にしたら15分くらいなのかな、よく分からない。
「声掛けてくる！」
翔「ん、頼む」
なんだか胸騒ぎがして、トイレまで足早に向かう。
トントントン…
「和？」
和「…」
「和？かーず！大丈夫？」
和「…」
呼んでも返答がなくて…焦ってリビングに向かって
「ちょっときてー！」って叫ぶ。
翔「かず？かず！！開けれる？」
和「…」
翔にぃがドアをドンドン叩いてみたけど返答が
なくて…
トイレのドアの鍵はコインとかで回せるタイプだから
智にぃが「持ってくる」ってその場を離れようと
した時…
ガチャ…
翔「かず！！」
鍵が開く音がして、翔にぃがすぐにドアを引いたら
凭れかかっていたであろう和が、そのまま床に
崩れ落ちた…
翔にぃがそっと抱き抱えてソファーまで運んで
くれた。
翔「かず！…かず？分かるか…？」
和「…ん、ん…」
翔「…発作？」
和「…ん、ん…」
よかった…意識はあるみたい。
［和side］
トイレを済ませて立ち上がった時に感じた胸の痛み。
すぐに発作だと分かったけど、苦しくてどうする
ことも出来なくて、その場にしゃがみ込んだ。
風呂上がりで、エスティペンダント持ってなくて
だから防犯ブザーもなくて…
「…っ、ん…、ん…」
一人で苦しさと痛みに堪えるしかなかった…
体に力が入らないからドアを叩くことなんて
出来ないし、トイレの中には投げて音を出せる
物もない。
どうしよう…このまま…
言いようのない不安に襲われながら、苦しさと痛みを
なんとかやり過ごしていたら、少しずつ落ち着いて
きた感じがした。
小さい発作だったみたい。
しっかり息が吸えるようになってきたところで
みんなに見つけてもらえた。
翔にぃに抱きしめてもらって、零れた涙も智にぃが
拭ってくれた。
だけど、心の中に残ってしまった恐怖心…
もしまたトイレで発作を起こしたら…
そう思うとトイレを遠ざけてしまう。
「待って…聴診器やめ、て…」
翔「かず…もしかして…」
気が付いたら半日以上もトイレを我慢していて…
体調チェックで聴診器を当てられる振動すら
辛くなってた。
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作者名：空
| 作成日時：2018年4月10日 17時
