2778.【エレベーター内での発作】 ページ28
［和side］
潤は今朝から熱を出して
寝込んでる。
雅「かずー！」
「あ、雅にぃきた！またね〜」
チ「またな！潤にお大事にって伝えて」
「ありがと、伝えとく〜」
土曜日の午前中、いつものグランドでフットサルの
練習を終えたところに、雅にぃが車で迎えに
きてくれた。
今日は雪が降ってなかったからグランドで練習が
できてラッキー。
後半は周りに積もった雪で遊べて楽しかったし。
雅「お疲れ〜、寒くなかった？」
「ん、大丈夫。楽しかった」
雅「よかったね」
後部座席に乗り込んだら、雅にぃも後ろに
やってきて。
汗かいてる時もあるから、車で迎えに来てもらう
時はパパッと私服に着替えちゃうんだ。
ブーツにも履き替える。
雅「汗は？かいてない？」
「前半にちょっとかいたけど、もう乾いた！笑」
雅「くふっ…元気そうだね」
着替えてる途中の俺の体に、雅にぃがそっと触れて
体温を確認。
表情もしっかり見て、俺の体調を視診する。
お医者さんじゃないのに、すごいよね。
ほんとはそう思ってるけど、素直にそれを口に
することはほとんどない。
俺、天邪鬼だから。笑
雅「ちょっと診せて〜…」
「ん〜…げんき〜…、やだ…」
雅にぃの手が、貧血の有無を調べようと目に
触れてきたから、ちょっと抵抗して顔を振る。
雅「こーら、和？」
「ん〜…」
雅「嫌なことしてないよ…笑。ちょっとだけ」
「ん…むぅ…」
顔を軽く押さえ込まれて、サッと診られて。
雅「おしまい。元気、元気」
「んぅ…」
雅「あひゃ！拗ねないの。笑」
雅にぃは運転席に移動して「車出すから、着替えて
おいてね」って。
「潤は？」
雅「大丈夫そうだよ。お粥も食べてたし。昼過ぎに
病院連れてくって翔にぃ言ってたけど」
「そっか、ならよかった」
雅「お昼食べて帰ろっか。今帰っても、潤とは
すれ違いになっちゃいそうだし、智にぃもいない
しね」
「やった〜、そうする。美味しいとこね？」
雅「りょーかい。ハンバーグね。笑」
智にぃは昨日から都内に出張。
今日の夕方には帰ってくるみたいだけどね。
あらしだけお留守番になっちゃうけど、ランチの
間だけちょっと待っててもらおう。笑
フットサル用のバッグに脱いだ服を適当に詰め
込んで、財布とスマホだけダウンコートの
ポケットに移し替える。
この時、フットサル用のバッグのポケットに
しまい込んだエスティペンダントのことを
すっかり忘れていた。
練習中だけいつも外してるんだ…
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
