2772.【4】 ページ22
［智にぃside］
喘息の発作で苦しむ翔と
ポロポロ泣きだしてしまった潤。
先生や看護師さんも駆け付けてくれて、病室は
一気に騒がしくなったけど、和が傍にいて優しく
声を掛けてくれたお陰で、潤はパニックまでには
ならずに済んだ。
先「もう大丈夫だからね。体力消耗したから
しばらく起きないと思うけど」
潤「…っ、…ん」
小さく頷くだけで精一杯な潤に代わって、和が
「先生ありがとっ」って可愛い顔して笑ってくれて
それだけで病室が明るくなる。
先「また様子見にくるね」
雅智「…ありがとうございます」
先生を見送った後も、潤は翔の傍を離れない。
ピタッと張り付くって表現が、ほんと適してる。笑
そんな潤の背中を「心配だもんね」って和が
優しくさすってくれてる。
もうね、潤の心は心配で堪らなくて張り裂けそう
なんだと思うんだ。
それを止めておいてくれているのが和の存在。
雅「頼もしい兄ちゃんだね…」
「…ほんとだね」
割と珍しいこの絵を、雅紀と俺は見つめてる。
そんなこんなで1時間くらい経った頃かな…
翔「…っ、…んっ…けほっ…」
「…大丈夫？」
寝返りを打とうとして動いたから、起きるかな…
って思ったんだ。
そしたら起きる前に咳き込んでしまって…
翔「…っ、けほっ…けほっ…っ…」
再び咳き込み出した翔を見て、潤の不安が爆発…
潤「…っ、翔、にぃ…」
和「大丈夫だよ、潤。また先生がきてくれるから」
潤「…っ、んっ…んくっ…やだっ…」
翔にしがみ付いて泣いている…
そんなところにバタバタと先生と看護師さんが
やってきて「中くらいの発作だから大丈夫。すぐに
治るからね」って。
潤「…っ、んくっ、や…しょ、にぃ…」
和「潤、平気だよ？」
軽くパニックになって泣き続ける潤に、和は
落ち着いて、優しく声を掛け続けてくれる。
これ以上酷くなるなら、俺と雅紀もフォローをと
思っているけど、今は和に任せておけば大丈夫。
潤「…っ、やだ…しょ、にぃ…」
和「潤、ほら見て？翔にぃ、もう苦しそうじゃ
ないよ？」
潤「…っ、んくっ…ほん、と…？」
和「ほんと。先生達すごいね？」
潤「…ん、ん。すご、いね…」
呼吸がラクになって、苦しそうな表情じゃなく
なった翔を見て、潤がやっと少しだけ笑った。
先「今みたいに発作が起きたら、すぐに助けて
あげるから。ね？約束する」
先生も声を掛けてくれて。
和は頷いた潤の頭を「よかったね」って撫でて、
お兄ちゃんの顔してる。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
