2771.【3】 ページ21
［雅にぃside］
翔「やだ…家が、いい」
先「駄目。無理です」
翔「お願い、します…」
先「どんなにお願いされても、無理なものは無理」
先生は苦笑いしながら「お前が一番良く分かってん
だろ？」って。
発作の翌朝、面会にきたらこの状態。笑
智にぃが双子を引き連れてジュース買いに寄り道
してるからよかったものの…
俺にもこんな姿は見せたくないだろうな。
先「翔くん？おしまい。また苦しくなるから」
翔「…え、家が、いい…」
和みたい。笑
先「分かってる。なるべく早く帰れるように
するから。な？今無理したら長引くだけだろ？」
翔「…」
翔にぃが先生の言葉に応えないなんて珍しい。
顔を背けて、窓の方を向いてしまった翔にぃに
先生は再び苦笑い。
先「ゆっくりしてってね。なんかあったら呼んで」
「ありがとうございます」
先生が病室を出ていって、数分後に3人がやって
きた。
飲み物買ってもらって「あったか〜い」って
ニコニコしながら。
今朝は潤の表情が冴えなかったから、みんなで
心配していたんだけど、とりあえず大丈夫かな。
和「翔にぃ、これ抱っこしてみて？湯たんぽみたい
で気持ちいいよ？」
翔「…ん、ありがと…」
モゾモゾと寝返りをして俺らの方を向いた翔にぃ。
和が布団をペロッと捲ってペットボトルを
忍ばせた。
潤「…苦しくない？」
翔「…ん、今は平気。それなのに、先輩がさ…」
翔にぃは俺らの顔をキョロキョロ見回しながら
「入院って言うんだよ…？酷いよ…」って膨れた。
和潤「…んふふ」
珍しいもんね、こんな翔にぃの姿。
智にぃが「ふふ…」って笑いながら、頭を撫でて
あげたら目を閉じた。
双子はベッドサイドに座って「早く治るといいね」
って優しい言葉を掛けてる。
しばらくはスースーと寝息が聞こえて、落ち着いて
眠れていたんだけど…
翔「…っ、…んっ…けほっ…」
潤「…っ、翔にぃ！！」
翔「…っ、だい、じょ、…っけほっ…ぶ…」
潤が不安そうな声で真っ先に飛びついたから、
翔にぃは苦しそうにしながらも咳の合間に言葉を
返してくれた。
翔「…っ、んっ…けほっ…けほっ…っ…」
智「大丈夫。今、先生呼んだからね」
翔「…っん…けほっ…っ…」
だけど咳が止まらなくなってしまって、また合間に
喘鳴が聞こえる…
潤「…っ、んくっ…しょ、にぃ…」
和「大丈夫だよ、じゅん…」
苦しそうにする翔にぃを前に、潤は涙をポロポロ。
和が優しく声を掛けて背中をさすってくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
