5人で生きてゆく…part56 (ページ3)

今日:30 hit、昨日:17 hit、合計:980,949 hit

2753.【3】ページ3

［智にぃside］

潤が呟いた
「真ん中っ子…」って言葉。

その後は黙ってしまったから、真相は謎のまま
診察だけが進んだ。

雅「お腹、少し触ってもいい？」

潤「…ん」

雅「力抜いてラクにしてられる？」

潤「ん、できる…」

優しい時間がゆったり流れる…

そしたら潤が「俺ね…真ん中っ子の雅にぃのこと
最近ずっと気になってて…」って、ゆっくりと口を
開いたんだ。

それは、真ん中っ子の雅紀の気持ちを、潤なりに
一生懸命に考えた言葉で…

「そんな風に考えたんだね…」

翔「えらいな、お前は」

潤「ん…なんか、ね…」

翔が頭をワシャワシャと撫でて、潤は照れくさ
そうに笑う。

和「俺さ、ちょっと前に潤にお風呂でその話
聞いて。その時はちょっと考えたけど…」

「そうだったんだ…」

和は言葉を繋ぐ潤のことを「やっぱりすごいね…」
って感心の眼差しで見つめてる。

俺と翔は顔を見合わせて「大人になったね」って。

それから「そんな風に考えられる潤の気持ちが
嬉しいね、ほっこりするね」って、やり取り。

雅紀は照れくさいんだろうね。

何も言葉を発さずに、潤に対して優しい診察を
続けてる。

雅「痛いところない？」

潤「…ん、平気」

雅「そっか、そっか。よかった」

素直でいい子で。笑

和もそう思ったんだろうね「なんか新鮮だね」って
笑った。

翔「潤は素直だしな。手がかからない」

和「むぅ…なにそれ。俺は手かかるってこと？笑」

翔「いや、そうとは言ってないけど。笑」

和「嘘だぁ…思ってるんでしょ」

翔「思ってねーよ！笑」

新鮮な診察風景、素直な潤の姿を見て、翔が和を
からかって…

和は「むぅ…」って膨れて唇を尖らせてる。

俺と翔は、雅紀が末っ子から真ん中っ子へ変化を
遂げた時のこと、今でも鮮明に覚えてる。

それまでは、末っ子モード全開で「ねぇねぇ」
って、いっつも甘えた声出して、翔にも俺にも
ベッタリだったから、余計に印象深い。

そんなんだったから「お兄ちゃん達」と「弟くん」
って括られてたからね。笑

雅紀は、その立場を存分に楽しんでた。

弟感全開で「翔にぃカッコいい！俺もやりたい」
とか「俺も智にぃみたいにする！」って真似して。

それが突然、双子のお兄ちゃんになって。

戸惑ったり、葛藤もしていた。

決して、すんなりと真ん中っ子になれたわけじゃ
ないからね。

潤「末っ子から真ん中っ子になった時、どう
思ったの？」

潤の真っ直ぐな質問に、雅紀はどう答えて
くれるんだろうか…