2799.【4】 ページ49
［和side］
にぃ達から「雅紀が
熱出した」って聞いて…
「…大丈夫？」
雅「…ん、んん…」
部屋を覗いて声を掛けてみたけれど、辛そうに
唸っているのみで反応なし。
だけどさっきまでは、もっと大変で…
「頭が痛い」って言って、なかなか眠れなかったん
だって。
翔「辛そうだけど、今は寝れてるから…そっと
しておこう？」
「…ん」
智「とりあえず出ようか」
智にぃと翔にぃと、部屋を出てリビングへ。
「昨日の…俺のせいでしょ？」
翔「和のせいっていうか、寒い中外で過ごしたのが
良くなかったんだと思う」
智「俺らも雅紀のことばっか、叱っちゃったしね」
でも、原因を作ったのは俺。
勝手にイライラして、雅にぃに八つ当たりして…
「あのね…昨日は黙ってたんだけど…」
智「…ん？」
雅にぃが手出したみたいになって、にぃ達に
叱られていたこと、ずっと引っかかってたんだ。
「ほんとは、俺が先に、いけないことした…」
俺は正直に、2人が見てない隙を狙って聴診器に
ガブッと噛み付いて邪魔したことを白状した。
ついでに、雅にぃのことキックしたことも…
翔「聴診器壊れるから、次からなしな？」
「…ん」
智にぃも翔にぃも、俺が黙っていたことは叱らずに
「俺らも悪かったから…」って。
［潤side］
みんなが揉めてる時、俺は黙って見てるだけだった。
雅にぃばかりが叱られてる時に伝えたらよかったけど
それをしなかった。
和が泣かされていて可哀想って思った気持ちも
あるし、どっちの味方にもなりたくなかったから。
でも何も言わないことで、結果的に雅にぃばかりが
責められることになってしまったんだけどね…
雅「…ん、んん…」
「ごめんね、雅にぃ。俺、見てたのに…」
雅「…ん、いい、の…」
冷えピタを交換しながら謝ったら、俺の手を握って
「気にしなくていいの」って言ってくれる。
熱が高くて辛そうなのに、俺のこと守って優しく
してくれる…
雅「…んで、泣くの…」
「…っ、んくっ…ごめんなさ、い…」
ポロポロ涙が零れてきたら、それを指で優しく拭って
くれた。
熱い手で充血した目…
見てるだけで辛そうなのに、雅にぃは何度も涙を
拭ってくれて「大丈夫だから泣かないで…」って
言ってくれる。
「…泣いたこと、内緒、して…？」
雅「んふふ…強がり。笑」
「…っ、ん、ふふ…もう泣かない、から」
涙をゴシゴシっと拭いたら「わかったよ、よしよし
いい子」って頭を撫でてくれた…
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
