2737.【感じるみんなの優しさ】 ページ37
［潤side］
和は朝から体調が
悪いみたい。
俺が起きてリビングに行った時には、すでに
ラグマットの上でゴロゴロしていて。
「行きたい…」って涙声で何度も訴えてた。
翔「何度も言うけど、今日はお休み。悪化して
長く休むことになったら嫌だろ？」
和「んん…でも今日は行きたい…」
クッションに顔を埋めてグズグズ。
そんな和の頭を翔にぃは優しく撫でて、俺の元へ。
翔「おはよう、潤。今日なんかあんの？」
「選択科目かな…みんな一緒だから、楽しみに
してるんだと思う」
翔「そっか…」
「熱高いの？」
翔「いや、まだ37℃台前半だけど…」
「選択科目、1.2限目だよ？駄目？」
翔「んー…」
翔にぃだって悩んじゃうよね…
一緒に学校に行けたらそりゃ嬉しいけど、
長引いたらそれはそれで和が可哀想だし…
グダグダする和を横目に、俺はとりあえず学校に
行く支度をする。
その間も、和はなかなか引かなくって「行きたい」
って連呼。
もう一度検温したら37.2度だったらしくて、
さらに行きたい気持ちになってしまったみたい。
結局、簡易採血も頑張って「1.2限の選択科目だけ
受ける」って約束で登校が許可された。
今日は翔にぃが休みだから、帰宅したらすぐに
診てあげられるってのも、登校が許可された
大きな理由。
和も「翔にぃありがと！」って笑ってた。
智にぃに車で送ってもらって、選択科目は
やっぱり楽しくって。
和「んふふ…お前には無理だって！笑」
マ「できるし！」
ケ「和、すげー！！」
「くはは！」
2限目の途中までは、ほんとに楽しそうに
していたのに…
「頭、痛いの？」
和「…ん」
楽しい授業を30分以上も残してダウン…
保健室へ行かないといけなくなった。
保「お兄さんに連絡ついてるからね。熱だけ
計ろっか」
和「んー…いいっ！」
こうなったら機嫌は最悪だよね。笑
保健の先生が体温を計ろうとしても頑として
拒否で、振り払って。
和「俺だって授業受けたいのに…」
「ん、楽しいもんな…」
和「もういいっ…」
お怒りで…布団を被ってしまった。
10分くらいで翔にぃが来てくれたけど「こなくて、
いいのに…」って布団に潜ったままで。
翔「ちょっとだけ診せて？」
和「ん〜…ばかっ…」
翔にぃは、布団の中に手を入れて軽く診察を
してくれた。
翔「このまま家に連れて帰るな？」
「…ん」
翔「大丈夫。家でちゃんと見てるから」
「ん、分かった」
和と翔にぃを見送って、俺は教室に戻る。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
