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［潤side］
隣を歩いていた和が突然
「誰か付いてきてない？」って小声で言うもん
だから、慌てて振り返ったけど誰もいない。
「勘違いじゃねーの？」って笑ってやろうかと
思ったけど、和の顔がマジだったから…
「後ろ見張ってるから智にぃにLINEしろ！」って
伝えたんだ。
家から少し離れたコンビニ。
「あ、智にぃ来たよ」
智「お待たせ。外で待ってたの？」
和「だって、あらしが…」
智「ふふ…そっか」
こんな時でも、和はあらしを外で待たせるのは
嫌がってね。笑
まぁ、後を付けられたとしていても、まだ人が
見えないから冷静でいられたのかも。
これでドラマみたいに人影があって、追いかけ
られたりでもしたら、あらしと共にコンビニに
突っ込んでいたと思う。笑
智にぃは大通りまで俺らと歩いて、タクシーを
つかまえた。
あらしを入れるバッグもちゃんと持ってきて
くれていて、そこにあらしを入れて和が抱いた。
家を特定されないように遠回りしてもらって
タクシーで帰宅。
智にぃが温かいココアを入れてくれて、和と
一緒にソファーに座る。
智「どんな風に感じたの？」
和「ん〜…よく分からないけど、誰かが後ろを
付いてきてる感じ」
智「潤も感じた？」
「いや、俺は正直なにも」
和がボソッと「あらしも吠えなかったし、やっぱり
勘違いなのかな…」って言いながら立ち上がって
トイレへ。
その隙に俺は智にぃに、和の顔がマジだったことと
引いた手が小刻みに震えていたことを伝えた。
和が感じた不安を、ただの『勘違い』で片付けて
欲しくなかったから。
智「俺も数日前から、和の言動ちょっと気に
なってて」
「そうなんだ…」
智「翔と雅紀にも話してみる。とりあえず和のこと
1人にするのはやめよう」
「ん、わかった」
トイレから戻ってきた和は「へへっ…俺ちょっと
心配しすぎなのかも。笑」って茶化したけど。
その顔からはやっぱり不安が消えていなくて…
智「和が感じるってことは勘違いじゃないんだと
思うよ。俺らも少し気を付けるから、和も一人に
ならないように気を付けて？」
和「ん、分かった。あらしの散歩も一緒に
来てくれる？」
智「もちろん。俺でも潤でも一緒に行くから」
「ん、一緒に行くよ」
和「んふふ…ありがとう」
小さく笑った和の顔からは不安が消えた。
『勘違いかも』なんていいながらも、不安で
いっぱいだったんだろうな…って思うと。
俺は弟だけど…守ってやりたいって思う。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
