2727.【ストーカーに襲われる】 ページ27
［和side］
「んふふ♪ 」
あらしは可愛いな〜。笑
今ね、スーパーの入り口で智にぃが戻ってくるのを
あらしと待ってるとこ。
「ウォンッ！」
「んふふ♪ きた？」
智「お待たせ〜」
「帰ろ〜」
小さい方の袋を受け取って俺も持つ。
智にぃは、俺が「持つよ」って言うのを
知ってるから、こっちには軽めの物しか
詰めないの。笑
パンとかね。
智「寒くない？」
「ん、大丈夫〜」
智「ニット帽被ってくればよかったね」
「そうだね、玄関に置きっぱなしだ！」
智「んふふ…明日から被ろうね」
「ん♪ 」
昨日、翔にぃが出してくれたんだ。
「風邪引くからこれ被れ」って。
あらしのスピードに合わせて歩きながら、
たわい無い話をして…
でも、なんか違和感。
数日前からなんだよね…
「ねぇねぇ、どっかに知り合いいる？」
智「は？」
「なんかさ、ジロジロ見られてない？」
智「なに、友達？」
「いや…なんて言うかさ…」
なーんか、感じるんだよね視線を。
でも振り返っても知ってる人はいないし、
周りをキョロキョロしても、やっぱり知り合いは
いない。
だから、もしかしたら智にぃの知り合いとかじゃ
ないかなーって。
智「いや…いないけど」
「そっか、勘違いか。笑」
［智にぃside］
和が突拍子もないこと言い出すから、ビックリ
しちゃった。
でも、和が感じた視線は本当に和に向けられた
ものだったのだと、後で知ることになる。
「一人で行くの？」
和「河原で潤がフットサルしてると思うから
見てくる！」
「そっか。いってらっしゃい、気を付けて」
和「ん♪ あらし、行こ！」
翔との約束通り、しっかりとニット帽を被った和は
なんだか年齢よりも幼く見えて…
『車、気を付けろよ…』
元気に玄関を飛び出していったその背中に
向かって、心の中で呟いた。
30分もしないうちに和から『潤がカッコいいよ〜』
って写真と共にLINEがきて。
無事に会えたならよかったな…と。
和はきっと潤を観ながらも河原であらしを
遊ばせてあげて、それから一緒に帰ってくるはず。
その予想は正解してたんだけど…
『智にぃ…誰か付いてくる…』
暗くなった頃に届いたLINEにドキッとする。
慌てて『潤も一緒だろ？』って返したら『うん』
って。
一人じゃなくてよかった…
とりあえず『家に向かわずコンビニ入れ』って
送って。
『コンビニ入ったよ』ってLINEがきたから
場所を聞き出して迎えに行くことに。
無事でよかった…
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
