2716.【3】 ページ16
［和side］
先生にはいつも優しく
してもらってるから、俺も役に立ちたくて…
家に帰ってきた時は38℃ちょっとだったけど
今はきっともっと上がってる。
先「ん…んん…」
「熱、上がってるよね…」
智「そうだね…」
苦しそうに唸ってて…可哀想。
潤「ただーいま。先生どう？」
智「おかえり、潤」
「…辛そう」
潤「…ほんとだ」
学校から帰ってきて和室を覗いた潤も心配そうな
顔をする。
智「夕飯の買い物行ってくるから、先生のこと
お願いね」
和潤「ん、分かった」
襖を少しだけ開けておいて、俺は潤とリビングで
勉強。
今日のところを教えてもらう。
先「…ん、んん…」
「…起きたかな？」
20分くらい経った頃、和室から苦しそうな声が
聞こえてきて…
「…先生？」
先「…ごめ、ん。体起こしたくて…」
体を起こそうとしていた先生を潤と両側から
支える。
潤「何か飲みますか？持ってきます」
潤てば、ちゃんと敬語。
さすがだ。笑
先「…ん、ありがとう」
「タオルあるから、拭く？」
先「…ありがとう」
少し汗をかいてしまった顔と体を軽く拭いて、
潤が持ってきてくれたスポーツドリンクを飲んで。
高い熱で辛いはずなのに「気が利くね」って
優しく笑ってくれる先生。
潤「ペットボトルにストローさすのはね、翔にぃが
いつもやってくれるから」
先「…そっか」
「ゼリーとかあるけど、食べる？」
先「…ん、少しもらおうかな…」
「何のフルーツがいい？なんでもあるよ？」
先「…すげーな…笑」
「俺のためにストックしてあるから。笑」
先「なるほど…」
先生はぶどうを選んだ。
潤「これ、使ってください」
先「あぁ…ありがとう」
寄りかかれるように座椅子を置いて、そこに
寄りかかってもらう。
さすがに俺らじゃ支えてられないから。
先「冷たくて、おいし…」
「よかった」
少しでも食べておけば、翔にぃが持って帰って
きてくれる薬も飲めるしね。
先「ありがと…ね」
「いいの、いいの。先生にはいつも感謝してる
から」
潤「俺も！」
先「…ふふ」
先生がゼリーを半分くらい食べたところで、
智にぃが帰ってきた。
智「辛いですよね。さっき翔から『病院出た』って
連絡あったんで、もう帰ってくるかと」
先「ん、ありがとう。看病してもらってます。笑」
智「んふふ…」
先「和くん、これまた後でにするね。ごちそう様」
「ん、寝ててね」
先「…ありがとう」
先生からゼリーを受け取って和室を出た。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
