5人で生きてゆく…part55 (ページ15)

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［智にぃside］

和「先生…」

先「和くん、いらっしゃい。診察、頑張ったん
だって？」

和「…ん、頑張ったの」

病室のドアを恐る恐る開けた和だけど、ベッドに
座る先生を見て、少し安心したみたい。

和には辛そうな姿を見せないようにしてくれて
いるんだと思うけど。

和「先生…入院するの？」

先「はは！しないよ？」

翔「駄目ですよ、先輩。入院です」

先「冗談やめろよ。笑」

翔「冗談じゃないです。点滴なしで大丈夫なワケ
ないじゃないですか。笑」

揉め始めた先生と翔にぃを見て和はポカーン…笑

だけど先生は翔より頑固で『入院は大袈裟だ』の
一点張り。

でも翔も、こうなったことに責任を感じで
いるから「俺が見張りますから。笑」って
譲らない。

和「じゃあさ、先生は家に来たらいいよ」

翔「は？」

先「…」

俺は和が言おうとしていることが分かる。

でも今度は先生と翔がポカーン…笑

和「そしたら点滴も出来るし、翔にぃも家に
いられるし。ね？」

翔「なるほど…笑」

先「さすがにそれは…笑。いいよ、和くん。
先生、翔くんに見張られなくてもちゃんと入院
するから。な？」

和「えぇ～…いいじゃん、おいでよ」

和は愛嬌たっぷりに「いつも先生に助けて
もらってるから、たまには役に立ちたいよ」って。

このちょっとの時間で、和は潤にも連絡したらしく
『俺も看病する！』って、潤からLINEが。笑

先生は最後まで渋っていたけど「俺も日頃の
恩返ししたいんで」って翔の言葉で
我が家行きが決定した。笑

翔「夕方には帰りますので。和室でゆっくり
休んでて下さいね。薬はその時に持って帰ります」

先「ん、ありがとう」

和「先生、乗って？少し座席倒すね」

先「ありがとう」

一生懸命な和を見て先生は笑顔を見せてくれるけど
ちょっと辛そう。

まだ熱があるし、点滴の効果もいつまでも続く
ワケじゃないもんな…って。

先「ごめんね、智くん。お世話になります」

「いえいえ。こちらこそ、双子の気持ちに応えて
頂いて…感謝してます」

どちらかというと、双子の為なのかなって。笑

そんな風に、割と楽観的に考えていたのだけれど…

「何か食べられますか？」

先「いや…ごめん、食欲なくて…」

家に帰ってきて1時間弱で、先生はグッタリして
かなり辛そうになってきて…

和「冷たい枕。使って？」

先「…ありがとう」

和「ちょっと飲める？」

先「…ん」

和と相談して、しばらくゆっくり寝てもらう
ことにした…