2712.【4】 ページ12
［雅にぃside］
潤の退行は赤ちゃんまでは
いってない感じ。
トイレも自分で済ませられるし、歩けるし、
喋れるし。
ただ、誰かしらの傍には居たいみたいだけど。
あと、お風呂の時はちょっと甘えん坊さん。笑
「バンザイして？脱げないよー…」
潤「んふふ…」
脱衣所では自分から脱ごうとしないし、バンザイも
してくれないし。
「立って？ズボン脱がないと…」
潤「なにで遊ぶー？」
「もう…笑」
こっちがやらせたいことと、潤がやりたいことが
噛み合わない。
今だって俺が服を脱がせようと必死なのに、
潤は『お風呂で何して遊ぶか』を考えてる。笑
「今日は俺らが最後だからシャボン玉やって
あげる」
潤「ほんとっ？」
「ほんと。だからとりあえず脱いでくれる？」
潤「んっ♪」
やっと立ち上がった…笑
「自分でゴシゴシしてて？頭洗ってあげる」
潤「ん♪ ゴシゴシ〜♪」
お風呂に入ってからもキラキラ笑顔。
泡がいっぱいのスポンジを渡してあげたら
腕をゴシゴシ擦ってる。
こうして幼児退行することで、潤の心が苦しく
ないならよかったな…と思う。
だってこんなに可愛い笑顔見せてくれるんだもん。
「おっきいの、できたね〜」
潤「すごーい！！んふふ♪」
楽しそうにしてくれている姿にホッとする。
風呂から上がってからは、翔にぃにアイスを
もらいながら「まさにぃが、おっきいの作ったの」
って興奮気味で説明してる。
翔「まだ食う？」
潤「ん♪ あー…」
スプーンでまた一口、アイスを運んでもらった潤は
幸せそうに笑う。
翔「おいで、ここ」
潤「ん♪ 」
翔にぃが膝をポンポンと。
そしたら潤は迷いなくコテっと膝の上に頭を
のせて甘える。
いっぱい頭を撫でてあげながら、優しく笑い掛けて
あげている翔にぃ。
潤「みんないっしょ、楽しいね」
翔「そうだな。楽しいね」
潤が発した一言には重みがある。
『みんな一緒』
今回の潤が心のバランスを崩した原因は
ここにあるんだもんね…
リビングのテーブルで宿題をする和と、キッチンで
夕食の片付けをする智にぃ。
俺はカウンターでのんびり。
そんな日常がね、いいんだよね。
分かる、分かる。
でも、今回はバラバラになってしまったのは
夢の中であって現実ではないから。
立て続けに見た夢のせいで、崩れてしまった
潤の心を、思いっきり甘えさせることで
取り戻してやりたいなって。
潤「しょうにぃの、匂い…」
翔「はは！くすぐったいよ」
お腹にギューッと…
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
