2654.【4】 ページ4
［潤side］
久しぶりに和が部屋まで
来てくれたから、嬉しくって俺がテンション
上がっちゃって。
「…っ、ごめん、かず…」
翔「大丈夫。落ち着いて…」
智「こっちおいで。深呼吸してから手伝おうね」
「…っ、ん…、…っ…」
智にぃに背中をさすられて、バクバクする
心臓を落ち着かせようと深呼吸を繰り返しながら
和を見たら…
ポロポロ泣いて「…痛い」って唸ってる。
翔「ガーゼお願い。かず…ちょっと診るよ？」
和「…っ、…ん、…たい…」
翔「大丈夫。額ちょっと切れちゃってるから
ガーゼで押さえような」
和「…ん、んん…」
「…んくっ、ごめん、かず…」
翔「手握っててやって？」
翔にぃは俺と目を合わせて優しく笑って
「車で病院行こう。その方がみんなで行けるから」
って言ってくれた。
翔「痛いところある？」
和「…ん、ん…」
雅にぃが額のガーゼを押さえて、翔にぃが
全身を診ていく。
智にぃは病院に行く準備をしていて…
雅「…全然止まらないんだけど」
翔「だよな…病院、急ごう」
額のガーゼはあっという間に真っ赤に染まる。
和「…んん…」
和の意識も朦朧としてきちゃった…
「…っ、んくっ…かず…」
智「大丈夫。車、乗るよ？」
涙が溢れてきちゃう。
智にぃに肩を抱いてもらっても涙は止まらなくって
病院に着いてもそれは変わらず…
翔「ここで、待っててな…」
「…っ、ん…」
ストレッチャーに寝かされた和は、完全に意識を
失った状態で処置室に運ばれていった。
途中、何度も処置室のドアが開いてスタッフの
人がバタバタ出入りして。
少し見えた処置室の中は、さらにバタバタで
機械音も鳴り響いて…
「…っ、かず！！」
智「潤！！」
思わず処置室のドアの方に駆け出してしまって
智にぃに止められる。
「…っ、やだ！和のとこ、いく…」
掴まれた腕を振り切ろうとして暴れていたら
ドアが開いて、翔にぃ出てきて。
「まだ血が止まらなくて…危険かも。傍で声掛けて
やってくれるか？」って。
「…んっ、かず！！」
血が止まりにくい時に、俺のことなんか庇って
怪我するから…
俺が落ちたって何ともなかったのに…
「…っ、んくっ…かず、おねが、い…」
まだお礼言えてないんだから…
「…っ、かず…、ありがと…言いたい、から…」
戻ってきてよ…
翔「潤？聞こえてると思うから。続けて？」
冷たい手を握って、いっぱいいっぱい
話し掛けた。
翔にぃの言葉を信じて…
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
