2607.【3】 ページ7
［潤side］
和「んっ、んくっ…
いや、いや…いかな、い…」
「学校？行きたくないの？」
和「ん、ん…さと、にぃ、いないも、…」
翔にぃから話は聞いていたから驚かなかったけど、
退行の症状も出てるみたい。
朝食を食べ終わって、何の気なしに「着替えに
行こう」って誘ったんだけど。
離れるのが嫌みたいで。
智にぃがいくら「家で待ってるから大丈夫だよ」
って伝えても、駄目だった。
「行ってきます！！」
智「行ってらっしゃい」
和「じゅん、ばいばい」
智にぃの腕に引っ付いて玄関まで見送りに
きてくれた。
傍に居てくれさえすれば大丈夫みたいで、
ニコニコしてて可愛い。
智にぃも何度も頭を撫でてあげて、優しく
笑い掛けてあげて、甘えさせてる。
それは俺が帰宅してからも変わらずで…
和「あらし連れて、智にぃと一緒に学校まで
行ったんだよ？」
「あ、そうなんだ。暑くなかった？」
和「んふふ…ちょっとだけ暑かった。ね？」
智「ふふ…そうだね」
左手はしっかり智にぃの服を掴んでる。
智「アイス買ってきたよ。食べる？」
「やった〜、もらう！」
智「持ってきてあげるよ」
和「…俺もいく」
どこへいくにもくっ付いていく可愛いやつ。
［雅にぃside］
分離不安の症状というよりは、ただの甘えん坊
さんになっているだけらしい。
プラスで退行の症状は出てるけど軽度だし。
翔にぃが「智にぃは甘やかしてあげて」って。
だから和は智にぃを味方に付けて甘えまくり。
言い換えれば、それをいいこと翔にぃには
我儘を押し通そうとしたり。
和「やーだ…やりたく、ない…」
翔「なんで。笑」
智にぃの背中に隠れて尿検査を拒否。
検査紙に尿をチョロっと引っかけるだけで
いいのに。笑
翔にぃが「やってこい！」って迫れば「やーだ…
翔にぃこわい」って。
翔「なんだって？このやろっ！！笑」
和「や〜…」
からかわれて必死になって智にぃの背中に
身を隠している姿は何とも可愛らしい。
智にぃも背中をポンポンとしながら「一緒に
行ってあげるよ〜」って優しくしてる。
翔にぃがやり過ぎれば「翔？笑」って
ちゃんとストップをかけてくれるしね。
和にとって、今の智にぃは救世主。
翔「マジでやってきて」
和「やだぁ…」
翔「尿カテ入れんぞ？」
和「…っ」
何度目かの脅し。笑
智にぃが翔にぃを止めたけど、退行気味の和に
『尿カテ』って言葉は、恐怖が強すぎたみたいで…
和「や…、…っ、ん、んくっ…」
泣いた。笑
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
