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［雅にぃside］
翔にぃが咳を
していたなんて、全く気が付かなかった。
上手く隠せちゃうんだから…困るよね。笑
ケホッ…ゴホッ…ゴホッ…
智にぃとキッチンで、夕食の片付けを
していたらリビングの方から聞こえてくる咳。
ゴホッ…ケホッ…
始めは聞き流していたけれど、なかなか
止まらなくって…
智「誰〜？大丈夫？」
和潤「翔にぃ！」
智「…え？」
「大丈夫？？」
翔「ゴホッ…ゴホッ…ケホッ…」
顔も上げずに問い掛けた智にぃだったけど、
咳をしているのが翔にぃだと知って、手をパパッと
拭いてからリビングの方へ。
そうだよね、俺も「翔にぃが一緒に居るから
大丈夫だろう」と思っていたから。
咳をしているのが翔にぃだとなると、心配が…
翔「ゴホッ…ゴホッ…」
智「なに…どうしたの…」
翔「…っ、ケホッ…」
ソファーに座った翔にぃは前屈みになって
苦しそうに咳を繰り返す。
双子が両側から背中をさすってあげてるけど…
智「…大丈夫？なんか飲む？」
翔「…ゴホッ…ゴホッ…」
智にぃの問い掛けにも答えられないくらい
絶えず咳が出てる状態みたい。
俺は、残りの洗い物をサッと済ませて、ストローを
さしたペットボトルを手に翔にぃの元へ。
智「持ってきてくれたよ？飲めそう？」
翔「…っ、ん…ケホッ…ケホッ…」
少しだけ落ち着いたような感じに見えるけど、
咳の合間に微かに喘鳴が聴こえる気がする。
「ヒュー」って。
智「まだ苦しい？」
和潤「…大丈夫？」
翔「…っ、ん…」
たぶん翔にぃは喘鳴に気付いてる。
それを隠そうとして深く息を吸わないように
しているのが分かる…
「智にぃ、ちょっと…」
智「…ん？」
少し離れたところに智にぃに来てもらって
話をする。
みんなの前で指摘して、万が一翔にぃが
意地を張ってしまったらと思うと。
避けたいからね…
翔にぃなりに隠したい理由があるんだろうし。
智「そっか…病院に連絡してみる」
「ん、お願い…」
心配そうな顔をしながらも翔にぃの傍を離れず
背中をさすってあげている双子。
和潤「…大丈夫？」
「ラクな体勢になろっか…ここに凭れる？」
翔「…っ、ん…」
ソファーにクッションを重ねて置いて
座っているより少しだけ凭れられる感じの
体勢にしてみる。
呼吸は苦しそう…
もう一度咳込んだら、今度こそ止まらなくなって
しまうんじゃないかと思う。
智「先生に連絡ついたよ。病院行ってみよう？」
翔「…ん、…っ」
よかった、頷いてくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
