2638.【倒れた翔にぃを心配する】 ページ38
［翔にぃside］
潤「熱、高い…？」
「ん、少し下がったけど、まだ38℃超えてる」
潤「…そっか」
夏休みになってから、調子が良かったんだけど
終盤になって体調を崩してしまった和。
「入院、したくない」って不安そうな表情を
していたから、自宅療養で何とかしてやろうと
思って。
雅紀もお盆休みで家に居てくれたし、潤も
夏休みだから助かってる。
だけどやっぱり目を離すのは心配だし、
少しの変化も見逃したくないから、家にいる時は
俺も付きっ切りで。
病院だと、機械で管理してもらえるから
多少はラク。
でもね…
智「よかった…眠れてるね」
「ん、よかった」
安心した顔して、自分のベッドでスースーと
寝息を立てる和を見れるのは嬉しいから。
多少の無理は苦にはならない。
看病を始めた頃から感じていた自分の体調の
悪さは悪化していく一方な気がするけど。
今は和の為に頑張らないといけない時だから…
和「…っ、ん…や…」
「すぐ終わるから、頑張って刺し替えよう。な？」
和「…っ、んっ、…んくっ…」
こうして和も一生懸命に頑張っているから…
和「…っ、んくっ、やー」
「がんばれ…」
智「ほら、もう終わっちゃったよ？」
智にぃが和を抱き締めながら「翔先生は
すごいねぇ」って。
照れちゃう。笑
雅「頑張ったね、かず。えらいね」
潤「冷えピタ新しくしような」
今はみんなが和のことでいっぱいいっぱいだから
俺が体調悪いのはバレていない。
ほんとは良くないことなんだけど、今の俺は
ラッキーって思っちゃう。
だって、こんな状況で俺の体調が悪いって
知れたら、間違いなく療養させられる。
そしたら和は入院せざる負えなくなるから。
せっかく家で看病できているんだもん、自分の
せいでそんなことになってたまるか！って。
俺にもね、意地があるから。
出来ることなら、みんなが笑っていられる
道を選びたい。
和のことを理由に仕事はセーブできているし、
夕方には帰宅も出来てる。
だから、大丈夫。
自分ではそう思っていたんだけど、看病続きの
日々は体調不良の体には相当なダメージだった
らしくて…
「汗、すごいから着替えよっか」
和「…ん」
智「じゃあ、体も拭こっか。お湯用意してくる
から待ってて」
「ありがと…」
智にぃが部屋から出ていって、俺は和の着替えを
用意しようと立ち上がった。
「…っ…」
目の前が真っ暗になって、グラッと揺れて。
バタン…
倒れてしまったみたいだ…
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
