2632.【4】 ページ32
［智にぃside］
雅「…んっ、んくっ、や…」
翔「頼んでもいい？」
軽く抑えてつけてパパッと入れてしまおうと
思ったんだけど、思いのほかガッツリ抵抗
してきて。
翔「体力も使うし、可哀想だから…」
「ん、いいよ。翔の判断に任せる」
翔「ありがと…」
翔は「自分が処置することで無駄に泣かせるのは
可哀想だから」って優しく笑って。
「雅紀？入れるからね、力抜いてて？」
雅「…とにぃ、やって…」
「ん、やるよ。大丈夫」
背中をトントンしてあげたら「智にぃだけ
部屋にいて欲しい」って。
「そんな酷いことサラッと言わないの。笑」
雅「…っ、ん、ん…」
「入れるよ？」
雅「ん…」
力を抜いてくれたからスーッと入っていって。
背中をトントン叩いていたら、そのまますぐに
眠ってくれた。
翔「はは！すげー、嫌がられてるね。笑」
「ダメージ大きかったね」
翔「まぁ、いいや。そのうち大丈夫に
なるっしょ。笑」
思いっきり拒否られて泣かれたけど、翔は
明るく笑って…
それから優しい顔して雅紀の頭を撫でてる。
甘やかしてあげたいだろうに、今はそれを
拒否されてしまうからね…
寝ている間に沢山触れて、優しい言葉を掛けて
やってる。
雅「ん…んん…」
翔「痛む？…胸？」
雅「や…やぁだ…」
起きた途端にこれだもんね…
胸痛もあるみたいなんだけど、翔が聞いても雅紀は
まともに応えようとしなくって。
翔「ちょっと触るよ？」
雅「…っ、ん…んくっ、や…」
雅紀が嫌がって体を捩っても、医者モードに
なった翔は全く動じずに、胸に手を当てて
丁寧に触診してる。
「大丈夫だよ、雅紀。翔が診てくれたら安心だね」
雅「…っ、ん…、さと、にぃが、いい…」
「ん、ちょっと待ってね」
翔の手を払って伸ばされる雅紀の手。
雅「…っ、んくっ、…とにぃ」
「もう少し待ってね」
握ってあげて診察が終わるのを待つ。
翔「薬追加して様子みよっか。この状態で
病院行くのは負担かかるし」
「ん、お願い」
翔「雅紀？おしまい。よく頑張りました。笑」
雅「…っ、んっ、んくっ…さと、にぃ…」
「ふふ…よかったね。おいで」
頭を撫でてもらったのに、嫌がって顔を背けて。
ポロポロ涙を零しているから、タオルで拭いて
やりながら抱き起こす。
翔「あんまり水分摂れてないから、様子見ながら
飲ませてもらっていい？」
「ん、分かった」
試しにペットボトルを口元に近付けたら
今は飲みたくないらしく、顔を背けられた。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
