2610.【2】 ページ10
［和side］
『雅にぃが病院に
来てる』って聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは
救急に運び込まれる雅にぃの姿で。
「どうしよう…」「…なにがあったの？」って
不安でいっぱいになってしまった。
智にぃがフォローしてくれてるけど、そんなのは
頭に全然入ってこなくて…
智「とりあえずここ座ろう。翔に連絡するから」
「や…、雅にぃのこと、行きた、い…」
智「うん、分かった。どこにいるのか聞いて
それから一緒に行こう。ね？」
「や…、いまいく〜…」
行くったって、どこにいるのかも知らないのに、
パニックになってしまって、それすら判断が
できない。
智にぃが廊下に置かれてる椅子に座らせようと
するんだけど、抵抗して立ち上がる俺。
腕を引かれて床に座り込んで、それでも
行こうと抵抗するから…
智「あ、もしもし？翔？ごめん、なんか
大変なことになってて…」
片手で俺のベルトの腰辺りを掴んで、動きを
制しながら翔にぃに電話してる智にぃ。
智「ちょっと…待って、かず…」
「やだ、雅、にぃ…」
智「今連れてってあげるから…」
自分で言うのもなんだけど、智にぃは俺のことも
宥めながら、翔にぃに状況の説明をしなくちゃ
いけないから大変そうで…
［智にぃside］
突然の電話にビックリした様子の翔。
そりゃ、そうだよね。
ちょっと疲れ気味の和を「屋上で休ませて
くるね」ってことで別れたんだもん。
無理はない。
雅紀のことも全く分からないらしく「すぐ状況
確認するから待ってて」って慌ててた。
とりあえずこの場で、和と待つことになったけど…
和「…っ、んくっ、まさ、にぃ…」
「連絡きたら、すぐ連れてってあげるからね」
和「今、いまが、いいー…」
ポロポロ泣きながら、雅紀を心配している和は
この場に留まっていてはくれない。
手を離したらどこかに行ってしまうから、
ベルトから手を離せず…
「あ、もしもし翔？」
しばらくしてかかってきた翔からの電話。
「あ、そっか…なるほど。そういうことね。笑」
思わず苦笑いしてしまう。
『怪我をして入院しているスタッフの
お見舞いに来ただけだった』と。
そういえば、そんな話をしていたなと…
俺も翔も慌ててしまってバカみたいだ。笑
「なるべく早く頼むね。雅紀の顔見ない限り
落ち着かないと思うから…」
翔「分かった。ちょっと待ってて」
翔が雅紀のことを連れて来てくれるって。
一応「もうすぐ会えるから」って伝えたけど
やっぱり聞いちゃいない。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
