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［智にぃside］
翔に「少し雅紀と
話す時間もらっていい？」って言われたから
OKを出した。
翔が雅紀と約束していたのは知っていたし、
多少のお説教は必要だと俺も思ったから。
だけど翔は、思った以上に厳しくてね…笑
翔「黙ってないで何とか言え」
雅「…」
病院のベッドに寝かされている雅紀はビクビクして顔を背けながら「ごめんなさい」って
謝ったけれど…
翔「ごめんなさいは、もういいから」
雅「…」
翔「なんで約束守れなかった？」
雅「…」
翔の質問には上手く応えられず…
顎を掴まれれば目を閉じて、強く迫られると
口をギュッと結んで黙り。
結局、一方的に厳しく叱られ「そんな態度なら
連れて帰らねーから」って捨て台詞を吐かれ。
バタン…とドアがしまった。
雅「…っ、ん…、ん…」
「泣かないの…」
胸元に手を当てたら伝わってくるのは、かなり
高い体温。
「辛いね…」
ゆっくりさすりながら眠らせる。
30分くらいしたら「寝た？」って翔が見にきて
くれて。
点滴を追加して頭を撫でて「無理すんな」って
優しく笑う。
ほんとは雅紀にも、この姿を見せてあげたいけど。
眉間にシワを寄せて、苦しそうな呼吸をしながら
眠っている雅紀には見せてあげられない。
翔「入院させたいけど、和も心配して
面会来たがると思うし…」
「…そうだね」
翔「今回は自宅で」
「ん、お願いします」
せっかく登校ができるようになった和が
面会で毎日病院に通うとなると、病気に感染する
危険もあるしね。
免疫力も普段よりは落ちてるし。
翔の判断に任せる。
翔「点滴終わったら、連れて帰ってもらって
いい？自宅療養の手続きはしておくから」
「お願いね」
翔の負担は増えてしまうけど、雅紀にとっても
家の方がいいだろうしね。
雅「…えれ、るの？」
「ん、帰れるよ」
点滴を終えて目覚めた雅紀を連れて帰って
和室に寝かせる。
薬のお陰か、表情も穏やかで顔色も良かったから
夕方に帰宅した双子も安心してくれて。
翔からは「薬が切れたら熱も上がるし、症状も
色々出てくるから」って言われているけど
双子には、まだ伝える必要はないかなって。
翔「ただーいまー」
和「おかえりっ！」
潤「早いね！おかえり！」
翔は早めに帰って来てくれて、和と潤が喜んでる。
翔「どう？」
「ちょっと熱、上がってきた」
翔が触れたら「んん…」って声を漏らしながら
薄っすら目を開けた雅紀。
雅「…っ、やだ」
翔を見て怯えてるみたいだ。
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
