2612.【無理を重ねる翔にぃ】 ページ12
［翔にぃside］
先輩からの依頼。
後輩からの相談。
看護師達から頼まれたこと。
それに加えて、勉強と研究。
昔っから俺は、自分の限界がよく分からない。
頼まれたことは断らない主義。笑
だって断る理由がないんだもん…
って、自分では思ってる。
でも、それは自分の体力と気力の限界を分かって
いないからであって…
先「お前なぁ…どんだけ引き受ければ気が済む
んだよ？」
「…」
先「他の人ならとっくに断ってる仕事量だよ？
分かんねーのか？」
「はい…すみません…」
体調を崩してやっと気が付く。
そして、こうして先輩に叱られる。
先「今日は早く帰れ！」
「はい」
先「倒れたりなんかしたら、智くんから
カミナリ落ちるからな！笑」
「冗談やめて下さいよ」
この時は笑っていたけれど、まさか現実と
なるとはね。
早く家に帰ったら帰ったで、やりたいことが
色々とあって。
もちろん、和や潤と遊んだり、雅紀と智にぃと
飲んだりするのもやりたいことの一つ。
『おやすみ〜』ってリビングを出た時には
0時を過ぎていて。
少しだけ…
そう思ってパソコンに向かったら最後…すぐに
2時間、3時間と過ぎてしまう。
［智にぃside］
目の下の隈が目立つようになってきた翔に
「寝不足なんじゃないの？」って声を掛けたのが
2.3日前。
翔「ただーいまー…」
「おかえり。…大丈夫？」
翔「だめ、かも…」
当直明けで帰ってきて、玄関でフラフラ。
何とかリビングまで歩いてきたけど
バタッと倒れ込んだ。
「無理し過ぎじゃない？」
翔「ん、んん…」
熱があるわけでもなさそうだし、疲労と
睡眠不足だろうね。
目を開ける気力もないみたいだから、とりあえず
ラグマットの上で寝かせておく。
だけど、双子が帰ってくる前に、きちんと
話をしておきたいからね…
「翔…？そろそろ起きて？」
翔「ん…」
起こしてご飯を用意して…
翔「…いただきます」
「どーぞ」
翔「…」
俺の怒りオーラを感じるのか、すっかり萎縮して
しまってる。笑
まぁ、そんなの気にするつもりないけど。
「どんだけ無理したの？」
翔「…」
「答えないなら、答えられないくらいって
意味として捉えるけど」
翔「…」
「それでいいのね？」
すっかり俯いて、頑なに口を結んで。
誰かさんそっくり。
「倒れるまで無理するなって、分かんない？」
翔「…分かるけど」
ちょっと声を荒げたら「分かるけど、でも
無理しちゃうんだもん」って反抗的な態度。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
