2529.【脳梗塞で倒れる】 ページ29
［潤side］
放課後にフットサルを
やっていたら和がバタン…と倒れて
そのまま意識を失った。
発作とはまた違う感じ。
近くにいた大人が救急車を呼んでくれたから
俺は智にぃに連絡をして。
正面で倒れる瞬間を見ていた友達が「一瞬、
頭に手を当てて顔を歪めてた気がする」って
教えてくれて。
翔にぃの病院に運び込まれて、そのまま処置室へと
運ばれて行った。
智「…っ、潤！」
少し遅れて智にぃが到着して…
「遅くなってごめんね」って肩を抱いてくれて
安心する。
「かず…どうしたんだろ…」
智「ん、心配だね」
結局、和は処置室から出た後も、あちらこちらに
連れていかれて色々な検査を受けて。
脳梗塞…らしい。
翔「しばらくICUで管理するから」
「いつ目、覚める？」
翔「…分かんないけど、また信じて待とう。な？」
「…ん」
俺が弱くっちゃ駄目だって分かってるけど、
涙がポロポロ零れてきて止まらない。
翔「大丈夫。先輩にも協力してもらって
原因特定出来るように頑張るから。な？」
「…っ、ん、ん…、んくっ…」
翔「だからもう泣くな」
涙を拭ってもらって抱き締めてもらう。
智にぃは静かに和の頭を撫でていた…
［雅にぃside］
智にぃから連絡もらったけど、移動動物園先で
駆け付けることが出来なかった。
そのことを謝りたいと思っていたのに
和はそれから数日経っても意識を取り戻すことは
なくって…
310号室に移動した後も、それは変わらず。
潤「かず…ゲーム持ってきたよ？一緒にやろ？」
智「よかったね〜、目覚ましたら本買ってきて
あげるよ？」
潤「だって、和。ほら、早く起きないと…」
潤も辛いだろうに、そんな素振り見せることなく
毎日、和の傍でゲームをして話し掛けてる。
智「マッサージもしておこうね」
「…ゃあ、俺もやる」
智「…ふふ。よかったね、かず」
脳梗塞の影響で、手足に麻痺が出ることも
あるんだって翔にぃから聞いた。
和はまだ若いし、原因もハッキリしてないから
分からないけど…
でも後遺症が残ったりしたら、また新しい苦しみを
背負うことになってしまうから。
兄としては、なるべく避けてやりたい。
出来ることは限られてしまうけど、意識が
ない時でも、人の温もりは感じてるって
よく言うから。
それにマッサージは良いって聞くしね。
出来る限り傍にいて、脳にも体にも沢山の
刺激を与えてあげる。
もし夢を見るんだったら、俺らの夢を見てね。
みんな笑ってるよ？
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
