2521.【喧嘩と交通事故】 ページ21
［智にぃside］
翔「お前、ふざけんな！」
和「うるせーや！」
ガシャンッ…
雅「危ねーな！物に当たんな！」
久し振りに和と大喧嘩になった。
3対1になってしまうのは避けたいから、俺は関与
せずにキッチンに居たんだけど…
リモコンが飛ばされて、新聞が投げられて。
潤「…痛っ…」
悪気はなかったんだろうけど、近くにいた潤に
ぶつかったから、思わず「和！！」って
怒鳴ってしまった。
和「うるせーな！」
「話さないと分からないよ？」
和「黙れ！」
翔雅「和！！」
「まともに話そうともしないで、そういう
態度ばっかりとるのやめなさい」
和「うるせーや！！」
意地を張ってしまった和は、肝心なことを
話そうとはしないし、暴言も止まらない。
そのうちに「もういい！」「にぃ達には
一生話さないから！」って、さらに怒りを爆発
させて自室に戻ってしまった。
『一生』って小学生かよ…笑
翔も同じこと思ったみたいで「餓鬼か！笑」って
苦笑い。
そんな空気になって、潤も「和ってそういうとこ
あるよね」って笑って。
俺らは「弟相手にムキになり過ぎたな。笑」って
反省した。
だからきちんと謝りたかったのに…
［和side］
喧嘩した翌朝、素直になれずに謝れなくて…
険悪なムードのまま家を出た。
智にぃは「ご飯は？」って聞いてくれたりしたけど
「コンビニでパン買うから！」って捨てゼリフで
済ませてしまったんだ。
俺がきちんと向き合えば良いだけの話。
にぃ達は、頭ごなしに叱ったり、話を聞かずに
否定したり、反対したりする人じゃないから。
分かっているのに素直になれない。
どうしてこんなに自分の気持ちを伝えるのが
下手くそなんだろう…
学校が終わった後もモヤモヤした気持ちのまま。
潤と一緒にフットサルに行く気分には
なれなかったけど、家に真っ直ぐ帰りたくも
なくって。
素直な気持ちになれるまでと思って、ブラブラと
歩きまわってみる。
今回は自分から話を切り出してみようと
思ったから…
にぃ達の意見も聞きたいし、相談したい。
それから昨日のことも自分から謝りたい。
心の中ではそう思っているのに、家の方に
足が向かなくてイライラしてきた。
こんな態度ばっかりだから神様が怒ったのかも
しれないね。
『いつでも、いつまでも仲直りのチャンスが
あると思うな！！』って。
キキーッ…
物凄いブレーキ音と共に、跳ね飛ばされた。
痛みも何も感じなかった…
『にぃ達に謝りたかったな…』
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
