2520.【4】 ページ20
［雅にぃside］
翌朝…
目覚めたら額の冷えピタが冷たくて気持ちいい。
保冷剤も替えてくれたばっかりみたい。
夜中と明け方にも起きて、看病してくれて
いたんだと思うと、ほんと有り難い。
まだ熱は高い感じがするし、頭もボーッと
するけど。
まずは大事な任務を遂行しなければ…
和「雅にぃ、お願いします。智にぃと翔にぃも
心配しちゃうから…」
「ん、任せて…」
和がお腹を丸出しにして枕元に座る。
いつもは乗り気じゃない聴診にこんなに協力的。
元気な時だったら動画撮るのにな〜とか
思いつつ。
あ、俺が元気だったら協力的じゃないから
動画撮れないしね…なんて思って。笑
一人で笑ってしまう。
和「お願いね。元気だから平気だと思うけど」
「元気そうだもんね…笑」
聴診してみると元気な心音が。
今の俺より遥かに元気そうだ。
検温と血圧は潤が計ってくれてて、俺はチェック
だけする。
「大丈夫だね」
和「ありがと…よかった」
問題なさそうだ。
そうこうしてたら、またまた「もしもし？」って
潤が電話をする声が聞こえてきて。
昨日のことを思い出す。
双子は昨日も、翔にぃから指示をもらって
一生懸命に看病してくれたからね。
潤は和のことを伝えて、その後に俺のことも
伝えて、指示をもらってる。
潤「頭は痛くない？」
「ん、昨日ほど痛くないよ。ちょっとだけ」
和「よかった…」
電話を終えた後は、水分補給と朝食。
潤「玉子粥だよ」
「ありがと、ね…」
和「俺が食べさせてあげる」
潤が作ってくれたお粥を、和がフーフーと
冷ましてくれて、少しずつ口に運んでくれる。
美味しさと、優しさが心に一緒に染み込んできて
すっごく幸せで…
「ありがと、ね…」
口から出てくるのは「ごめんね」ではなくて
感謝の言葉だった。
双子は顔がクシャッとなるくらいにニコニコして
「元気になってね」って返してくれて…
和と潤には内緒で、にぃ達にLINEした。
『体はすごい辛いけど、2人の優しさに
胸がいっぱいだよ』
こんな文面、体が弱ってる時じゃないと
恥ずかしくて送れないよね。笑
智にぃと翔にぃからは『分かる！笑』って返信。
『愛されてる』って実感できるのは、大人に
なってもやっぱり幸せなことで…
「ありがと、ね…元気になるからね…」
和「ん。そしたらゲームしよーね？」
潤「ゆっくり休んでね」
その後も双子は、和室とリビング、キッチンを
行ったり来たりして看病してくれた。
頑張って治すね…
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
