2502.【2】 ページ2
［智にぃside］
雅紀が和に何度も
声を掛けるのを黙って聞いていたら、
なんかイライラしてきて。笑
いつもはそんなことないんだけどね。
和が雅紀に反抗的なのは日常茶飯事だし
検温とか診察を渋るのも良くあることだから。
だけど今日はイライラしてきちゃって。
思わず怒鳴ってしまった…
叱るとかそんな気持ちではなく、ただ怒った。
もちろん和はビックリして目を潤ませて
俯いてしまった…
可哀想なことしちゃったよね、ほんと。
自分の気持ちが落ち着いてから和室をチラッと
覗いたけど、和はリビングに背を向けていた。
仏壇の前の座布団の上で猫みたいに丸くなってる。
雅「ずっとあのまま動かないから寝たかもね。笑」
「…ごめん」
雅「いや、いいけどさ。珍しいね。笑」
潤もコクンと頷いて「起きたら優しくして
あげてね」って言ってくれた。
「ん、ごめん…」
潤「和が悪かったからいいんだけどさ、
ビックリしたみたいだったから」
「…そうだね」
お兄ちゃんみたいな潤の姿に、思わず笑顔になる。
俺が怒鳴った時、潤もビックリしていたくせに。笑
［翔にぃside］
「ただいま〜」
智雅潤「おかえり〜」
あれ…一人足りない。笑
そう思いながらリビングに入ると、ソファーに
体育座りをした和がポツン…と。
「ただーいま。挨拶なしか？笑」
からかって頭をポンポン叩いたら「んぅ…
おかえりって言ったもん」ってさ。
雅紀がキッチンから「あひゃ！和ちゃんね、
寝起きだから」って教えてくれた。
「体調でも悪い…？」
和「んーん、平気。ゴロゴロしてたら
寝ちゃっただけ」
「そっか」
頭をガシガシ撫でたら「んぅ…やめてよ」って
言いながらも可愛い顔して見上げてくるから
堪んない。笑
潤も「お疲れさま！ご飯食べよ」って
寄ってくるし。
これだから家はいいよな。
疲れが吹っ飛ぶ。
『いただきまーす！！』
5人揃って、夕飯を。
「あ〜美味い！！」
雅「あひゃ！翔ちゃんほんと美味しそうに
食べるよね」
潤「くはは！」
智「ゆっくり食べてよ〜？笑」
いつも通りのワチャワチャした時間。
だけど何だか、和の口数が少ないような…
俯き加減だし。
俺が和の正面に座ってて、俺の隣が智にぃ
なんだけど和はさっきから、ほとんど顔を
上げない。
潤が話を振っても「うん」「そうだね」
って軽く返す程度で益々怪しい。笑
でも箸はよく動いてるし、食欲はありそう。
ついつい観察してしまうのが、悪い癖。
和に怒られちゃう。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
