2501.【智にぃが怒った】 ページ1
［潤side］
学校から帰宅後、
リビングで和とゲーム。
雅「熱計った？」
和「まだ！」
雅にぃから声が掛かるのは何度目だろう。
今朝、ちょっと微熱だったから…
和は「体温計挟むとゲーム出来ないから」を
理由にして、さっきから「後で」って
繰り返してる。
「待っててやるから計っちゃえば？」
和「ん、じゃあここクリアしたらね」
このやり取りも何度目だろう。笑
かれこれ1時間くらい経ってしまった頃…
雅「ねぇ、いい加減そろそろ計ってよ…」
雅にぃは声掛け疲れで…苦笑い。
カウンターの椅子に座って、結局1時間、
何も出来ずだったしね。
雅「ねぇ、かーず…？」
和「うるさいなー、もう！！後で計るってば！」
ゲームしていれば1時間なんてあっという間。
和はそんなに長い時間、雅にぃが声を掛けて
くれていたと実感ないんだろうけど…
智「お前の『後で』は一体いつだ…？」
和「えっ…？」
キッチンでお弁当箱を洗ったり、夕飯の支度を
していた智にぃにとっては、長い時間だった
だろうし、雅にぃを邪険にしまくる和に
イライラを募らせていたのかもね。
突然にキッチンから聞こえた低い声。
智「なぁ、いつなんだよ…？」
和「…」
智にぃがすごく怒っているんだって、誰でも
分かる。
［雅にぃside］
智にぃが感情を露わにすることって、ほとんど
ない。
だけど今日の智にぃは、かなり怒ってる…
その智にぃが、すごい剣幕で和に歩み寄って
「雅紀が甘い顔してれば付け上がりやがって」
って和の頭をパンッと叩く。
智「いい加減にしろ！」
和「…」
怒鳴られた和は、もちろん素直に「ごめんなさい」
とは言えず、下を向いてシュン…として。
智「もうゲーム禁止」
テレビの電源をポチッと消して、スタスタと
キッチンへと戻っていった智にぃ…
その姿を潤はポカーン…と見つめてる。
まぁ、そうだよね。
俺なら未だしも、智にぃが感情的に怒るのは
珍しいことだから。
和は目を潤ませて微動だにしない。
「計ろうな…」
俺の言葉にコクン…と頷くのが精一杯。
隣に座ったら袖をギュッと掴んできた。笑
堪えるよね、よく分かる。
俺だってビックリしたもん。
脇に体温計を挟ませて、少しだけ抱き寄せて
肩の辺りをポンポンと。
少し甘い気もするけど、智にぃからカミナリを
落とされれば十分かと思って。笑
ピピピピッ…
「よかった、平熱だね」
和「…ん」
小さく頷いた和はトボトボ歩いていって
仏壇の前で丸くなった。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
