5人で生きてゆく…part51 (ページ18)

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［翔にぃside］

何かあれば
いつでも飛んで帰るつもりでいた。

だけど電話で和が「雅にぃ、気にしちゃうと
思うから…だから俺らに任せて？」って
切ない声出してくるから。笑

確かに和の言う通り。

自分が体調を崩したことが原因で、俺か智にぃの
仕事が中断となれば雅紀は責任を感じて
気にしてしまうだろう。

だけど、何かあってからでは遅いから…

智にぃとも連絡して相談して「もう少しだけ
双子に任せてみよう」ってことになった。

『今より重症化したら、何と言われようと
すぐに帰る』

そう双子とも約束をして。

俺と智にぃが心配しているのは、雅紀の体調の
ことだけではない。

和にはもちろん言わないけど、看病することで
和の体に負担がかかることも考えられるし、
雅紀が和の体調を管理できないってことも
問題になってくる。

でも智にぃと「出来る範囲で、双子の気持ちを
尊重してやりたいね」って話もした。

いつも看病される側の和は、誰かの役に
立ちたいって気持ちも大きいからね。

心の成長にプラスになるって分かるから、
出来るだけ見守ってやりたいし、経験もさせて
あげたい。

智にぃに「指示してあげて、フォロー頼むね」
って言われたから「任せて」って答えて
電話をきった。

［和side］

翔にぃから指示をもらう。

潤が体温を計ってくれたら39°を超えていて
ちょっと焦ったけど…

翔「寒気がないなら冷やしてあげて？」

「寒くないって。冷えピタもいい？」

翔「ん、いいよ。保冷剤、脇と太腿の付け根ね」

「りょーかい」

いつも自分がしてもらっているから、何となく
分かる。

「頭も痛がってるけど、薬ある？」

翔「市販のしかないから…熱が下がるまで
様子みて考える」

「ん、分かった」

俺らに出来ることって限られてしまうけど、
翔にぃから指示をもらえるから
少しは安心でしょ。笑

雅「しょ、にぃに、ごめん、て…」

「ん、分かった。伝えるね」

スマホを持ちたがって手を伸ばしてきたけど
電話を切った後だったから…

「とりあえずLINEしておくね。また電話かけたら
ちゃんとに伝えるから。ね？」

雅「…ん、謝っておい、て？」

「分かった。大丈夫だよ」

メッセージを送っておく。

にぃ達のことは気にせず、今はゆっくり休んで
欲しい。

それが早く治す一歩に繋がると思うしね。

雅「…頭、痛い…薬、は？」

「ごめんね、市販のはダメなんだって…」

雅「ん、ん…」

辛そうで可哀想。

もう一回聞いてみようかな…